こんにちは。
大阪のインテリアコーディネーター事務所、Office SPIRALの水田恵子です。

家具メーカーTime&Styleの大阪ショールームに行ってきました。


いつもお世話になっている家具業者さんから、
「Time&Styleの家具は、本当に!細かいところまで!作りがきれいです!

一度見に行ってください!」
とおすすめされていて、ようやく行けました(*^-^*)

 

 

ショールームは長堀橋と心斎橋の間くらいの、船場地区にあります。

 

リーダーの小川さんに案内していただきました。

 

収納家具を探しているお客様がいらっしゃるので、その方に合うものがあるかな~と思ったのも、今回の訪問のきっかけでしたから、まずはキャビネット収納を見せて頂きました。


 

 

とってもシンプルで美しいですが、冷たさはなく、木製だからでしょうか、手仕事の安宅民を感じます。

 

そして、おうちにある家具を思い出してほしいのですが。普通、家具の引き出しって、外枠の前に引き出しの前板がかぶっていて、前からは引き出しの前板しか見えないですよね。

でも、この家具は、引き出しが外枠の内側に収まっています。

更に、外枠がとっても細い!のが分かるでしょうか。

これは実際には、普通の厚みの板なのですが(そうでないと強度が出ませんね)、スッキリ見せるために、内側から斜めに削って、前に見える面を薄くしています。

引き出しの箱もそれにピッタリ合うように、斜めに削られています。

 

そして、そう、前面のリブは、無垢材を細い筋状に削って作られています。

このリブがとっても効いてるな~。

 

Time&Styleさんって昔からあって、

日本各地の焼き物とか、漆器とか、ステンレスとか、色んな暮らしの道具のお店だったと記憶しています。

その延長で家具も扱うようになったのか、当時から家具もされていたのか、わかりませんが、家具も暮らしの道具と同様に、元々は日本各地のいろんな家具工場に、OEMで作ってもらっていたそうです。

そののち、自分たちの求める仕様、品質をしっかり実現するため、旭川に自社工場を作ったそうです。

しかし、旭川に限らず、日本各地にある様々な地場の加工技術を駆使して、様々な家具を生み出しています。

 

 

 

 

 

塗装仕上げの家具もあります。

鏡面仕上げはどうしても細かい傷がつきやすく、特に濃色は難しいそうです。

 

 

 

曲木のチェア。曲がってます~~!

 

 

 

 

今をときめく隈研吾さんをはじめ、国内外のデザイナーとのコラボも活発。

こちらはPeter Zumthor(ピーター・ズントー)さんデザイン。

 

この太い脚は1本の木をくりぬいて作られています。

こんな太い木を加工できるのは、なんと餅つき用の「臼」を作っている、福井県(だったかな)の木工場だそうです。

 

そしてこの塗装には、漆塗りに使われる技法を応用されているとの事。

 

どの家具も、その製造の工程で、これができる〇〇県の工場、これができる〇〇県の工場、と各地を転々として、その地の技術で徐々に仕上げられていくそうです。

 

まさに日本の技術のすばらしさで、精緻な家具たちが生まれています。

 

そんな日本の技術を生かしたモノづくりが、イタリアの名門Boffi社の目に留まり、BoffiでTime&Styleの家具を取り扱うことに。

 

今は世界中のBoffiのショップで、Time&Styleの製品が販売されています。

 

このラウンジチェアはBoffiの商品。作っているのはTime&Styleです。

日本の販売権はもちろんTime&Styleが持っています。

細かいところまで、めちゃくちゃきれいです。

脚の貫とか

 

この、革が筒状になってて本体に刺さってる(言い方)ところとか。」

 

 

 

ダイニングテーブル。

浮いているように見える天板は、分かりやすく特徴的ですが

 

実はこの脚の接合がすごい。めちゃくちゃきれいだ。

テーブルの脚は、ノックダウン(組み立て)になっているものが大半で、部屋に入れてから、ビスで天板とつなぐのですが

この脚は完璧に接合されていて、完成品です。

 

スッキリしすぎなシェルフ。棚板が奥に控えていて、縦ラインを強調したデザイン。

これどうやって棚板を付けてるか分かりますか?

 

答は「ダボ」です。

効いたら普通でしたね。

「ダボってなに?」という方はこちらを見てみてくださいね~。

 

さてこちらのダイニングコーナー。

このアルミの照明器具は、丸い1枚のアルミの板を回転させながら、へらで押さえて変形させていく、「へらしぼり」という技法を使って成型していて、つまり継ぎ目がないのです。

こんな大きいものは、作れるところが少ないそうです。

 

↑このチェアも曲木です。後ろ脚から、背もたれの上を通って、反対の脚まで一本の木です。

この木材自体も、貴重ですよね。

 

家具を一通り見せて頂き、お腹いっぱいに満足してるわたし。

ですが更に、ショールームの入り口には、最後のお楽しみ、

器やタオルなど生活の道具が並んでいます。

はい、素通りできない(笑)

これらももちろん、日本の各地で生産された美しいものたち。

セレクト商品ではなくて、Time&Styleのオリジナル商品です。

華美でなく、シンプルだけに、美しさが際立ちます。

これは目の肥えた方にも満足していただけそうだから、ギフト候補にも。

 

 

このショールームは築60年くらいの古いビルの1階なのですが

内装は、天井を取り払ってコンクリートの太い梁をむき出しにしたり、前のペンキがそのままの状態だったりして、とても武骨な感じがします。

その、まるで外国映画に出てくる倉庫のような空間に、洗練された手仕事が生む美しい家具たちが、不思議な調和をしています。

 

今回は長い記事になりました。

普段、リーズナブルな家具も含めて様々なものをコーディネートしていますが、この日本の手仕事の技術の価値を伝え、たくさんの人に知って頂くことも、私の仕事の一部だと思いますので、今回は少し丁寧に紹介をさせて頂きました。

 

新しい技術だけでなく、人の手が生む伝統的な技術は、とても魅力的なものです。

今、家でお使いの家具や様々な家具や雑貨たちを、

これはどうやって作られているのかな?

どんな人が作っているのかな?

と思いながら見直してみるだけでも、とても面白いのではと思います。

 

Time&Style

Boffi

 

 

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