過去は消せないもの
でもやり直せるもの
鉛筆書きでは面白くないと思う。


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ひとの歴史なんて頑固なもの

はだかのこころに着せる服なんてない


あの夜

シングルベッドを抜け出して寄り道した

お前は真(はだか)の俺をみて笑ったね

俺はこのままでいいんだ

そう思えた


2年の月日が俺をおとなにした

覚えてるよ

お前初めて抱いた夜

ラジオから流れてたスカボローフェア

ぎこちなさ隠せなかった


くだらない夢語って

現実に涙したね


もう忘れろよ

また寄り道すればいい

石ころみたいな出会いがダイアモンドなんだね



少しは強くなったよ

乾いた風がまたお前の香り運んでくる


今夜もシングルベッドにあの時の歌が流れてる

以下、素人がインスタントですが記憶について知ったかで書いてみようと思います。

ひとは、ある事象を記憶する。もし記憶しなければ、ひとはレファレンスとしての記憶から学習できない。おそらく記憶する能力がなければ人間特有の高度な感情も生まれてこないだろう。そもそも過去事象としての記憶がなければ、因果関係として時間の流れすら認識できない。

脳のニューロンは、細胞体とそれから伸びる神経線維である樹状突起と軸索からなる。信号入力部は細胞体と樹状突起であり、樹状突起は長く数本からなる。信号出力部である軸索は一本で比較的長く先で枝別れしている。軸索の末端部は他のニューロンの樹状突起や細胞体とシナプスと呼ばれる部分で接触している。
シナプスでは化学物質を介した情報のやりとりが行われ、前のニューロンからの電気信号が軸索から伝達されシナプスに至るとシナプスからアセチルコリンなどの化学伝達物質が放出され、この放出作用によって後続のニューロンの細胞膜のイオン透過率が変化し、細胞体の膜電位をプラスまたはマイナスに変化させる。このように発生した電位をPSP(Postsynaptic potential : シナプス後電位)と呼ぶ。他のシナプスから同様に電気信号が入ってくると、それらによって生じるPSPが加算され、それがある閾値を超えると細胞体はパルスを発生する。この現象を発火(Fire)という。
分岐理論でいうと、安定な平衡点に縛られて単発的に興奮していた膜電位が、入力電流の増加によってある電流の閾値を超えたため分岐し、安定な平衡点が安定性を失い、リミットサイクルに遷移して激しい発火を繰り返すことになる。すなわち膜電位が入力電流の増加によって(Supercritical )Andronov Hopf分岐を起こすことになる。ただし、上述のニューロンは刺激(入力電流強度)依存で発火するTYPE1ニューロンではなく、発火が入力電流の閾値依存と考えられるTYPE2ニューロンについて成り立つと言える。

細胞生物学的にいうと、個々のニューロンには、イオンポンプ分子が発現して細胞膜に分布し細胞内外にイオンの組成差を生じさせている。このイオン組成差に加えていろいろなイオンチャネルが細胞膜に存在して、さまざまなイオンの透過性をコントロールして、ニューロンの電気的な膜特性を決定している。発火はさまざまなイオンチャネルのうち、ナトリウムチャネルとカリウムチャネルが協働して生じるものである。具体的に平衡状態にある細胞内電位が、ある閾値を越えると電位依存性ナトリウムチャネルが開き、ニューロンの細胞内電位がナトリウムの平衡電位になるまで急上昇し、この電位上昇が電位依存性カリウムチャネルの開口を誘引し、いったん上昇した細胞内電位を急激に下降させることになる。つまり、このような短い時間間隔で細胞内電位が急上昇して急下降する現象が発火である。

以上の発火現象を基にして、脳の個々のニューロンは、ある入力に対して、ある出力を返す微分方程式で記述されるシステムとしてモデル化できる。具体的にホジキン・ハックスレーモデル(Hodgkin-Huxlay-model)やフィッツヒュー・南雲モデル(FitzHugh-Nagumo-model)がそれである。
ホジキン・ハックスレーモデルは4次元の微分方程式であり、複雑であるので2次元に縮約したフィッツヒュー・南雲モデルで発火を説明すると、2次元変数のひとつは膜電位Vであり、もうひとつは、カリウムのチャネル活性化因子の存在確率 nであり、ニューロンへの入力電流を操作することによって、N型(3次関数)のV-nullclineが上下し、単調なn-nullclineと交わり、その交わり方によって、平衡状態、単発的に発火または繰り返し発火を示す。繰り返し発火はフィッツヒュー・南雲モデルで特徴的な緩和振動(relaxation oscilation)として知られている。緩和振動とは、Vを速い変数、n を遅い変数とするV-n 平面で状態のジャンプを伴う周期振動のことである。

いずれにしても、具体的に個々のニューロンの発火現象は、制御対象としてのニューロン、ニューロンからの出力である状態量(制御量)としての膜電位 、操作量(入力)として入力電流 、発火によってシナプスの結合強度を高める重み関数(学習効果)としてのフィードバック要素によって構成される負のフィードバックシステムとして取り扱えるだろう。

人間の記憶のシステムは一個のニューロンをとってみても上述のようにシナプスの結合強化という自己組織的な構成をもっている。実際には記憶のシステムは、階層的なフィードバックシステムとなろう。具体的には前向き要素に記憶素子として積分要素を無限にもつ分布定数系であり、積分要素の出力を引き出し点として幾重にも入力側にフィードバックした階層的構造をもつ多重レギュレーションシステムであり、この階層的フィードバック構造が、人間の(おそらく階層的である)感情の学習性を構成する基本アーキテクチャ(仕組みと働き)となっているのかもしれない。


実際には記憶について、作業記憶WM(Working Memory)と呼ばれる考え方があり、サルに刺激を与え取り除いた後に、刺激の位置を記憶するために持続発火を示すニューロンがあることが知られており、記憶と持続発火に関連性があるようです。

参考
細胞生物学 永田他
ニューラルネットワーク応用 ATR