ペンドルトン「ボードシャツ」とは何者か? ― サーフカルチャーとアメリカンウールが交差した名作 | DIGman VINTAGE

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ディグってきた古着の話

アメリカ古着を語るうえで、
**PENDLETON(ペンドルトン)の「ボードシャツ」**

避けて通れない存在です。

 

チェック柄のウールシャツ。
一見するとベーシックですが、その背景を知ると、

このシャツが単なる服ではなく、アメリカ西海岸カルチャーそのもの

だということがわかります。

 

今回は、ペンドルトンのボードシャツについて
誕生の背景・時代性・ディテール・なぜ今も愛されるのかを、

アメブロ用にじっくり解説します。

 


ペンドルトンとは?

まずはブランドの成り立ちから

**PENDLETON(ペンドルトン)**は1863年創業。
アメリカ・オレゴン州を拠点とする、

ウール製品の老舗ブランドです。

 

もともとは
・ブランケット
・ネイティブアメリカン向け毛織物
・ワーク・アウトドア向けウール製品

を得意としており、


「丈夫で、暖かく、実用的」
という評価を、アメリカ国内で確立していきました。

 

そんなペンドルトンが、
ファッション史に名を刻む一着を生み出したのが1950年代です。


ボードシャツ誕生の背景

 

1950年代・西海岸カルチャー

ボードシャツが登場したのは、1950年代前半

この時代のアメリカ西海岸では
・サーフィン
・スケート
・ビーチカルチャー
が若者文化として急速に広がっていました。

 

当時のサーファーたちは、
海から上がったあとに
✔ 体を冷やさない
✔ 風を防ぐ
✔ そのまま街にも行ける

そんな実用的なシャツを求めていました。

 

そこで注目されたのが、
ペンドルトンの上質なウール生地です。


「ボードシャツ」という名前の由来

「Board Shirt(ボードシャツ)」の“ボード”とは、
もちろん サーフボード のこと。

 

✔ サーフィン後に羽織れる
✔ ボードショーツの上から着られる
✔ 濡れた体でも冷えにくい

 

こうした理由から、
サーファーたちの定番シャツとして定着していきました。

 

つまりボードシャツは、
机(Board)でも、会議でもなく、

完全に“波乗り由来”の服なんです。

 


ディテールから見るボードシャツの特徴

ペンドルトンのボードシャツには、
当時の合理性が詰まっています。

■ 上質なバージンウール100%

・保温性が高い
・湿気を逃がす
・チクチクしにくい

このウールの質の高さが、
「ウールシャツ=着にくい」というイメージを覆しました。


■ ボックスシルエット

・着丈はやや短め
・身幅にゆとりあり

これはサーファーの体型・動きやすさを考慮した設計。


結果的に、

今のストリートスタイルにもハマるシルエットになっています。


■ オープンカラー(ループカラー)

1950年代らしい
✔ 開襟
✔ ループ留め

この仕様が、
「ワーク」「アウトドア」だけでなく
不良性・ロック感も感じさせるポイントです。


ロックと反骨の象徴へ

ビーチからカルチャーアイコンへ

1960年代になると、
ボードシャツはサーファーだけでなく、

・不良少年
・アウトロー
・ロックミュージシャン

といった層にも広がっていきます。

 

有名な話ですが、
ビーチ・ボーイズをはじめ、
西海岸ミュージックシーンでも
ペンドルトンのウールシャツは頻繁に着用されました。

 

そして後に、
「アメリカン・アイビー」
「プレッピースタイル」
とも結びつき、
階層やジャンルを超えた定番服となっていきます。


なぜ今、ボードシャツが再評価されているのか?

近年、古着市場で
ペンドルトンのボードシャツは確実に評価を上げています。

理由はシンプルで、

✔ 50〜70年代のアメリカ製
✔ 上質な天然素材
✔ 流行に左右されないデザイン
✔ 大量消費されにくい耐久性

つまり、
「今の時代に真逆な服」だからこそ価値がある

ファストファッション全盛の今、
長く着られ、背景を語れる服として
改めて注目されているのです。


古着としての魅力

ボードシャツは“着るヴィンテージ”

ペンドルトンのボードシャツは、

・チェックの配色
・年代ごとのタグ
・ウールの質感

によって、
一着一着がまったく違う表情を持っています。

同じものが二度と手に入らない。
それこそが、古着としての最大の魅力。

ただのシャツではなく、
アメリカ西海岸の空気をまとう一枚

それが、
ペンドルトンのボードシャツです。


まとめ

ペンドルトン「ボードシャツ」は
✔ サーフカルチャーから生まれ
✔ 実用性とファッション性を兼ね備え
✔ 半世紀以上愛され続けている

アメリカンヴィンテージの完成形とも言える存在。

 

もし古着屋で見かけたら、
ぜひ一度、袖を通してみてください。
その一枚には、
1950年代の西海岸が、確かに残っています。