PENTASTONES #Episode3 カシオペヤ ⑶ | lavaの創作ストーリー用ブログ

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lavaの創作ストーリー『LAVARATORY』を小説化したものを載せています。
厨二病なバトル小説書いています。

「くそっ…なかなかやりやがるっ…この、女のクロスジーン…!」
満身創痍で呟いたのは、ヴルン。
隣に構えるリメアも息を上げる。
「…トドメ、いっちゃいなよ、プレアデス。」
「…あぁ、わかった。」
プレアデスと呼ばれた眼帯の女が鉄の鎌を振り翳し、ヴルンへ走る。
ヴルンは膝をついて立てない。
「はぁっ…!」
リメアが息を上げて走りながらも、剣を構え、同時に蜘蛛の巣を発射する。
「邪魔だ。」
プレアデスは鎌を一振りでリメアの攻撃、そして四肢をも強く吹き飛ばす。
「ぐあっ!」
「リメ…」
鋭い眼がヴルンを睨む。
「バインディングレイディエイション!」
「!!!」
プレアデスの鎌を、紐が堅く縛る。
「くっ」
もう一人の女のクロスジーンが紐へ発砲し、即座に紐を契る。
切断された紐は弛む事無く、プレアデスの鎌から腕に掛けてを拘束する。
「…鳥属性か、此奴ぁ…」
「ディヴィラル!」
続けて、プレアデスへ刃物が襲う。
「ちっ!」
間一髪避けたプレアデス。
しかし、頬を少し掠め、微量の血を散らす。
「あんた等を以てしてもその様子じゃぁ…相当ね。」
「ユースト…!」
顔を罰印に覆った剣士と、スペード型の刃物を構えたポニーテールの戦士が同時に姿を現す。
「…救援、か」
「だな。」
プレアデスは紐を解き、体勢を直す。
もう一人のクロスジーンは両手に銃を構え直す。
「助かったぜ、お前等…」
「お前みたいなベテランを失うのはこっちとしても痛いからな…つっても既に戦えそうにねーか…」
「言ってくれるじゃねーか…」
ヴルンが汗を流しながら歯を見せる。
「…うん?」
「…ユースト、何か?」
リメアが聞く。
「あ、今顔中包帯まみれの人がこっちを見ていたような…うん、気の所為ね。」
「…そうか。」
ふと、音の止んだ空間に生温い風が吹き、6人を煽る。

「クロスジーンは何処だ!?」
「焦るな、ラッシュ…わざわざベナシュが最上階まで知らせに来てくれたって事は、少なからず余裕があるって事だ。」
「そうだな、イクスサンダー。きっと望遠鏡か何かで眺め、危険をいち早く察知したってところだろう。」
基地から外に出、地上に着く。
「んっ」
「…え」
セフトとイクスサンダーの目つきが変わったと思えば、直後に物凄い衝撃音が響く。
「なっ…!?」
いつの間にか浮いていた俺の身体は、盛大に地面へ叩きつけられ、そのまま転がる。
気付けば、セフトが俺の身体を庇い、己の回避と同時に俺を突き飛ばしてくれたようだ。
イクスサンダーは同様に避けて反対側に転がったようで、膝をついている。
「…此奴は…厄介者だな。」
「へ…?」
俺達が居た場所へ視線を移すと、基地の壁に巨大な鉄の塊が突き刺さっている。
「な、何だこれ!?」
「名を、リガティ…おっと、更に2人もお出ましだ…」
姿を現したのは、右耳に無線と右眼の上に小型モニターのようなディスプレイ…
そして手にグローブをつけた長身のクロスジーン。
それに携う様に、白髪色黒のクロスジーンとツインテールのクロスジーンだ。
「さ、3人…」

「がっ!」
「セギン!」
鮮血と共に、セギンの身体が吹き飛ぶ。
「くそっ!」
デューンのライフルが次々に火を噴いていく。
「馬鹿が!」
ザギドの呟きと共に、エリプスバーニングレボリューションが炸裂する。
「くっ、こんなの!」
アズラクが槍を回して弾く。
「1人、確保!」
「やばっ」
トリナッツァチがアズラクを捉え、斬撃を与える。
「アズラク!」
No.017が叫ぶ。
「れーな、どうするのこれ、やばいよ!」
「わ、分かってるよピピィ、けど…」
「やるっきゃねーだろっ!」
シャルルが前に出て、頭に装着しているサングラスを下ろし、眼に被せる。
同時に銃撃が炸裂する。
「プレイリーウィンド!」
空からスカイカットによる風と針の攻撃が吹く。
「ぐっ…!」
続いて、デューンやシャルルの弾丸を次々に叩き落とす金属音が鳴る。
「落としたよ!皆!」
片手に刃物を構えたアピが叫んだ。
「さんきゅー、スカイ、アピ!」
シューティングスターと同時にルクバーが現れる。
「ぎゃっ!」
「シャルル!」
シューティングスターがシャルルを飛ばす。
そしてルクバーが呟く。
「よし、もう1人!」
ピピィにシューティングスターが迫る。
途端にシューティングスターが止められる。
「レイナさん何してるにゃ!」
「クロネ!」
クロネの武器、狗尾草がシューティングスターを押さえる。
「何としても止めないと、全滅するわ!」
ユキの簪が次々に勢いよく投げられる。
すると、途端に爆風が円を描く。
「…何これ…」
「もう終わりか?」
爆風を切り裂き、シュラが現れる。
「くっ!」
デューンの弾丸を容易く弾く。
「ふっ」
「がっ!」
「ユキ!」
シュラの武器がユキを吹き飛ばす。
「扇華!」
「にゃっ…!?」
ザギドの扇華をクロネが受け止めるが、火を受けて武器の狗尾草が燃える。
そこをトリナッツァチが仕留める。
「クロネ…!」
「ったく…俺も行くっきゃねーな!」
「その声…!」
「お前もいたのか、リュシオル。」
「既に死に際だがな…ぐっ!」
リュシオルの呻きと同時に青いドラゴンが現れる。
「おおっと、こりゃーまた豪勢な…」
相も変わらず、ザギドは歯を見せて笑う。
赤軍の殆どを、リュシオルが引き付けて止める。
「こうなっちゃしょうがない、ダルいけど私が…」
長い赤髪の女がタガーを構えて現れる。
No.017は目を瞑る。
「…来たか、エバ。」
素手で、タガーを掴み抑える青髪の男が現れる。
その右頬は火傷で爛れ、左眼が隠れる程の長髪は後ろで結ばれている。
「…アダム。」
エバと呼ばれた女を、炎が包み込む。
アダムと呼ばれた男はタガーを離し、両手をポケットへ突っ込む。
エバはタガーを持ったまま、一旦引く。
「…ふぅ。」
No.017が一息ついたのも束の間、次の刺客がやってくる。
「この剣…!」
No.017のトライデントが攻撃を阻む。
「レイナ…」
「フェス…!」
No.017の元へ現れたのは、赤軍ボスのフェスだった。
お互いの武器が激しく軋む。

続く。

Special Thanks
登場キャラ[リュシオル]:Xiba