物価上昇で日本はよくなる? | spider-thread-21のブログ

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最近聞いた話ではこれから物価上昇が起きることは日本にとって良いということでした。デフレが終わって国が発展軌道を描くと。

 

どうなんでしょう?

 

先ず、物価が上がるってことはその背景にはコストが上がって企業がどうにもやっていけないっていうことがありそうです。世界的にそもそもの価格が上がっていて、円安もあって輸入物価が更に上がっていますから。ブロック経済化の方向に行っていてもやっぱり日本は輸入物価の影響がとても大きい。でも、国内価格を上げて売上が上がったから利益が大きくなるかというとコスト分を値上げしているのなら、利益はさほど上昇しないことになる。そんな中で賃金の上昇はあるのかっていうと難しいと思います。すると物価上昇分は消費者の可処分所得を減少させることになります。収入は同じで支出が増える。要するに生活が苦しくなるってことですね。日本は中小企業が99%以上なのですから、国内価格を上げるようなことはかなり勇気が要りますし、輸入物価が容赦なく上がってもある程度自分達で吸収しながらの価格UPにならざるを得ない。このような経済では利益が上がり賃金も上がるのは海外で稼げるような企業に限られてくると思います。でも、日本の企業も昔と違い、簡単に海外で勝てる訳でもありません。韓国、台湾を始め中国企業との競争は容易ではなくなっています。ですから利益率を大きくあげられる会社はとてもユニークなモノを提供する限られた会社になります。ドイツ企業はそちらで戦っていますね。日本には強い会社がありますが、上場企業の中でもそのような会社は異彩を放っています。今は多くの企業が急激な円安の恩恵を受けたので経営の失敗が見えにくくなっていると思います。

 

上記のことを考えると物価が上がっていく局面はかなりの痛みをともなう生活が予想されます。中長期的にはそのような状態から提供付加価値の高い企業が生まれていくこともありそうですが、日本全体が浮上する程の数の企業が生まれるには教育やマインドセットの変化が必要ですからすぐには難しい気がします。日本の戦後の成長の裏には、戦前の高い教育水準やアジア地域の壊滅的な状況、アメリカのアジア政策など日本にとっては良い条件がそろっていましたが、今はいくら日本が優秀でも簡単に成長できるほど甘い世界ではなくなっています。

 

もちろん、今は人口が減少し人材の獲得競争も激化しています。良い人材が欲しければ高い給料を支払わなければなりません。その為には利益を上げなければならないので、コストダウンはどこで行うか。それは自動化などを含めてAIにできることはAIで、というような風潮は予想できそうです。ただ、そういう分野って海外に優秀な会社も多いですから人材競争も海外を意識することになりそうです。

 

今は円高の方向に急激に為替が動いています。日銀は長期金利を抑えるための国債購入をしていますが、そのせいで金利は低く抑えられ、国債価格は高くあげられています。そのような状況では市中で国債売買が成立しなくなり、いづれは国債価格が暴落する可能性だってあります。すると円の信認が崩れてしまう。金利が上がるから円高だ、というところから今度は円安になるって時期も将来的にはあり得る訳です。

 

長期的にはやっぱり海外投資もしておかないと怖いですね。日銀による国債購入オペがなくなると将来的にはより健全な市場のチェック機能がはたらく経済になるだろうとは思います。でもソフトランディングの目は殆どないように思えます。しっかりと国内、海外の分散をしてリスクコントロールをした方がよいと思う今日この頃です。