僕って生きてていいと思う?
ある人にそう言われたことがある
それを聞いて驚いたと同時にとても悲しくなった
何もできない自分を無力に思った
映画
「北のカナリアたち」を観た
吉永小百合主演の
北海道の島の分校を舞台にした物語だ
吉永小百合演じるはるは
かつて島で6人の子供たちを教えていたが
ある事件をきっかけに島を離れ、教師も辞めてしまう
そんなはるの元へ突然警察が訪れ
教え子の1人が人を殺し逃亡したと聞き
20年ぶりに島へ向かう
そこから物語が始まる
自分は生きていていいのだろうか
この映画の登場人物はほぼ全員がそういう思いを抱えている
幸せなはずだったのに
ひとつの事件をきっかけに心に傷を負い
自分を責め続けている
そんな彼らが
またひとつの事件によって
再び出逢い
過去の事件を
自分の心を見つめ直すことによって
少しずつ癒されていく
そんな物語だ
いったん傷ついた心を癒すのには
とても時間がかかるものだ
そしてそれは自分にしかできない
しかし本当に救われるためには
「生きている
それだけでいい」
と言ってくれる誰かが必要なのかもしれない
殺人者となってしまった信人が最後に
「僕って生きてていいんだよね、
生きなきゃいけないんだよね、
辛いね」
というシーンがとても印象的だった
深い傷を負って生きていくのは
とても難しいことだ
でも
彼らが
生きている、それだけでいい、
と思えるようになることを切に願う