この大きな石臼!TAONA(タオナ)という回転式の石臼です。
パレンケ(メスカル蒸留所)により大きさは異なるのですが
私が見た中で最大でした!
私の身長は181cmあります。比べてみてください。
回転する部分は2トンあるのだそうです!
このタオナは、大きな牛2頭で回します。
砕く、すり潰すという作業でジュースを取り出します。
一回の工程で約8時間くらい掛かります。
なぜ、こんな面倒で時間のかかる方法をとるの?
それはメスカルを造るにあたり、とても重要な要素なのです。
Maquina(マキナ)と呼ばれるシュレッダーなどの機械を使うと
焼きあがったピニャを引き裂いてしまいます。
この方法だと出来上がったメスカルの風味が弱くなってしまいます。
タオナで砕いて、すり潰すという作業の役割に微生物が
繊維内の糖にアクセス出来るようにするために重要です。
次の段階の発酵の際にご説明しますが、ココも肝心なのです。
そしてもう一つ、「Molienda del Mano」(モリエンダ・デル・マノ)
Mano(マノ)とは手の意味で、人の手で潰す方法があります!
Canoa(カノア)と呼ばれる木や石で作った臼(ウス)で
Mazo(マソ)という「こん棒」や「杵」で15時間かけて潰します。
とても時間のかかる重労働なのですが、Ancestral Mezcalでは
伝統的な方法を重視するので現在でもこのように造られるのです。
次回はFermentacion(フェルメンタシオン)発酵の段階に♪