昔から車が好きだった。今も変わりなく。
小学校のころ、近所の気合の入った兄ちゃんが日曜日になると愛車を磨いていは、ご満悦な顔して私に問いかけるのだ。
「いいだろボウズ、乗ってみるか?」
そう言って、私を半ば拉致する形で自慢の愛車に乗せて。
いろいろな所に連れて行ってくれた。
子供だった頃でも思った。
兄ちゃんの車は、ほかの車よりもずいぶん小さくて。そして、なんて四角くて丸いんだろうって。
その後、何年か経って。
近所の兄ちゃんは結婚して家庭を持って、気がつけば大きな車に折り変えていた。
でも私は昔、兄ちゃんによく乗せてもらった小さくて四角くて丸い車を、私が乗る最初の車に選んだ。
その車の名はローバーミニ。
愛すべき、ローバーミニ。
台風で高潮に呑まれても、蘇ったこともある不死身の車
若きを支えてくれた相棒
愛情も金銭も情熱も注ぎ込んで、どんどんと形を変えて行く相棒
気がつけば、店の看板を背負ってレースまで出ていた。
でも、悲しいことに。
それは、この車の良さを教えてくれた近所の兄ちゃんと同じ理由で。
私にも家族ができて、ファミリーカーの需要に苛まれることが、ローバーミニを手放す理由となった。
今でもその愛情、その愛着、その憧れ、そのトキメキ、その感情、その所有欲。
全てが覚めやらぬ親愛なるローバーミニよ。再び私が君を手に入れる日は近い。近いと断言しておこう。
そうしないと、いつまで経っても君を手に入れれないから。
大げさな事を言ってるように聞こえるかもしれませんが・・・・・・それがローバーミニに魅せられた人の言葉です。
私もそのうち、その世界に返ります。壊れた自分を直して行くために。
まぁ、生き急ぐことなく ぼちぼちと。




