『ショコラ/CHOCOLAT』
ショコラ [DVD] | |
![]() | 角川映画 2009-06-19 売り上げランキング : 2422 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
古くからの伝統が根付くフランスの小さな村に、
ある日謎めいた母娘がやってきてチョコレート・ショップを開店する。
厳格なこの村に似つかわしくないチョコだったが、
母ヴィアンヌの客の好みにあったチョコを見分ける魔法のような力で、
村人たちはチョコの虜になってしまう。
やがて村の雰囲気も明るく開放的なものになっていくのだが……。
“甘い”のひとことで片付けるにはあまりに奥深いテーマ
――人間にとって宗教とは、癒しとは何か――が語られる。
allcinemaより
この映画はよくバレンタインデーにオススメの映画特集でとりあげられるけど、
これ、あまりバレンタインに向いてませんw
ラブストーリーとなっているけど、どちらかというとヒューマンドラマ。
ジョニー・デップが好きなので、公開当時真っ先見に観たけど、
観た当時はなんとも思わなかった。
(主演とか書かれてるけど出てくんの後半じゃないかー!)とはこっそり思ったw
最近のケーブルテレビのバレンタイン映画特集でたまたま観て、
これはかなりいい映画だ!と、今になって本質を理解した映画だった。
「人間の成長」を描いたものだな~と。
12年前の作品で、そのころは私はまだまだで、今は人間的に成長できたからこそ、
この映画に共感できたんだろうな~と思います。
一番は、チョコレートのおいしそうなとこ!←そこw
普段甘いものは食べない、たまに気が向いたときにしか食べない私ですが、
この映画を観ると絶対食べたくなる。
観るだけでもおいしそうで、
作ってるのは楽しそうで、一口食べた後のお客さんの顔の幸せそうなこと!
演技って分かってるんだけど、本当にいい表情をするんだよな~♪
観ている観客が思わず「チョコレート食べたい!」
ってなる演技は素晴らしいと思う。
以下はストーリーに触れるので、
知らないほうがいい人は飛ばしてくださいな。
村の村長さんは、古い慣習・伝統を守らなければならない一番の筆頭。
今まで一族でそれに従い、守ってきたから、これからも守らなければいけない!
と、新しいもの=主人公ヴィアンヌと娘を排除する方向で動こうとする。
けれど、ヴィアンヌはそれにもめげず、
村人一人一人と向き合って、心を通わせる。
その固く閉ざされた心の扉を開く一つの鍵として、
チョコレートが効果的に使われている。
鍵はチョコレートかもしれない。それが全てではなくて、
ヴィアンヌの人を惹きつける人柄が人々の心の琴線に触れたり、
「客の好みにあったチョコを見分ける魔法のような力」は、
ちゃんとその人の本質を見抜いているということなのだと思う。
今までと変わらない。変えられない。変えようとも思わない。
そこに一人の人間…この場合はヴィアンヌ…の存在がきっかけとなり、
村人達は大きな一歩を踏み出し、それぞれに成長していく。
特にヴィアンヌの村での始めての友達役(役名忘れた…)が印象的。
DV夫に虐げられ、精神を病んでも別れられない状況。
宗教的にも厳しいから、神に結婚を誓ったんだから絶対に別れられないし、
夫がどんな人だろうと、尽くさねばいい嫁ではない、
という固定概念が本人にも、村人達にもあって、ずっとがまんしている。
ここでも共依存症者と回避依存症者発見!とかなってしまうのが私の性でw
ヴィアンヌは「自分のやりたいことをすればいい」ということを促して、
その友達は「夫と離れること、ヴィアンヌのチョコレート作りを手伝うこと」
で自分のやりたいことを見つけ、夫への依存がなくなり、自立していく。
夫は結局は嫁(その友達)のことを愛していた。
けれどその表現が暴力や束縛に変わってしまっていたのだと気づく。
そこで村長の助けを借りて変わっていく。
村長はまた別の思惑もあり、ヴィアンヌに味方を増やしてはならぬ!
ってことで夫をしつけ直し、嫁の奪回を目指すんだけど…悪戦苦闘。
立派な紳士(仮)になったところで、
ヴィアンヌの元にいる嫁に再度プロポーズへ行くが…
共依存症傾向の人の回復の様子だったり、
「執着」ってこういうことなんだなぁ~っていうのが
はたから理解できる感じになってます。
最後、村人達のおかげでヴィアンヌもまた、大きな一歩を踏み出す。
そこにジョニー・デップも絡んでくるのだけど…
ラストのほうなのでここは書かきません。ぜひ観てみて下さいな♪
自分の感覚だけかもしれないけど、映画の始まりは冷たい感じがして暗く、
途中から色が増えて、ラストのパーティーのシーンでは鮮やかになる。
それも村人達の心情をあらわしているのかな~と思った。
古いものを守るってとても素晴らしいことだと思うんです。
けれど、環境や時代がうつるにつれて、人の考え方、姿勢は、
変わっていくと思うんです。思考、感情は特に。
そうなったときに、どれだけ古いものを守り、どれだけ新しいものを取り入れて、
より良いものを作っていけるのか。
そこも人間のいいところであり、新しいものを作り上げていく力だと思う。
この映画を観て、自分が過去や考えに固執・執着して閉鎖してないか、
新しく一歩を踏み出せるかどうかを改めて考えさせられた映画だったなと。
観終わった後はほんわ~か緩んだ気分になれて、
「そうだ!ホットチョコレートを作ろう!」ってなります。
もしくは、「これからチョコレート買いに行ってくる!」
おすすめは、ちょっとお高めのチョコレートに、
ワインか蒸留酒をあらかじめご用意してからご覧下さい(*^▽^*)
Have a happy Valentine's day~♪