研究力と「選択と集中」、そして「新しい資本主義」 | 大学という斜陽産業

研究力と「選択と集中」、そして「新しい資本主義」

SNS上では、先日のNHKの日曜討論で、大学ファンド関連がテーマらしく、日本の研究力の低下は集中と選択ができないとの発言が経済界の人からあったとのことで盛り上がっていた。それに対して、研究はどこから芽が出るかわからないので、広くまいておいた方がいいという大学関係者の反論。当然自分は大学人なので、この研究費は広くという主張には賛同する。一方で、まだまだ新設大学や学部が認められるという現状があって、大学が多すぎるという指摘にも同意する。

 

もちろん、本当に成功する研究を見抜く力があれば、選択と集中もありだろう(と、多くの人が言っていること)。

 

しかし、個人的に面白かったのは、あくまでもSNS上の批判だが、当の発言者が証券業界の人とのことで、特定の銘柄に集中投資するアクティブ運用に対し、広く分散投資するパッシブ運用に長期的に勝てないとことを知らないのか、というもの。

 

そして、昨日の内閣改造のニュースを見ていて思い出したのが新しい資本主義の話。ショートターミズムに陥るから、四半期決算を止めさせようという議論があったはず。

 

基礎研究なんて、そんな短い期間で成果が出るわけではないはず。そして幅広い(裾野の広いといってもいい)基礎研究があってこその応用研究だと思うと、大学の研究に対しても、ショートターミズム批判があっても良いのではないかと思う。

 

ということで、岸田首相には、新しい資本主義の精神で、長期的な視点で日本の大学の研究力増強につながる政策を実行してもらいたいものですね。

 

まあ、お気楽ブログの戯れ言ですが。