少人数教育の境目 | 大学という斜陽産業

少人数教育の境目

本務校は、あるところでは「少人数教育に力を入れている」というのを売りにした広告を打っていた。


その一方で、履修者の少ない講義を閉講にしようという提案を行ってきた。あれあれ、少人数教育はどこに言ったのだろう。

ということで、批判も多い。


しかし、これって本当に可能な制度なのだろうか。聞くところによると、たしかに一定人数以下の履修者しかいない場合、閉講する大学がある。知っているところでは、5名が基準らしい。まあ、登録者数なのだろうけど。でも、学生便覧にも載っており、しかも年度初めの時間割にも載せておきながら、閉講とは。


すでに導入している大学に聞けばよいのだろうけれども、もし1人しか履修者がいなくて、その学生にとってその科目を履修できなければ留年が確定する場合は、どうしているのだろう。機械的に閉講にしているのか、情状酌量して開講しているのだろうか。

実際問題、履修人数が確定するのは大抵5月ぐらいに入ってからで、それまで他の授業も進んでおり、閉講にした分を他の科目に振替られるといったって、学生だって途中からの合流になるので、困ったことにならないのだろうか。


さらにその科目が非常勤の場合、5月までは手当を払って、それ以後は閉講にするということらしいけど、例えば、関西圏大学非常勤講師組合のサイトに(機関誌『非常勤の声』 )よると、団体交渉で年額の手当を補償してもらえるとある。それでは全然コスト削減にならないだろう(教室使用に伴う電気代やコピー代が節約できるとでも言うのだろうか)。


また、専任の場合、閉講でノルマに達しなくなった場合だってあるだろうし。


どうも目先の金勘定しかできていないような印象。しかも、その旗振り役が理系の学部の人たち。まあ、経営者側も、コストを削減したいらしいし、彼らに媚びを売っているようにしか見えない。法律問題等もきちんと考えているのかねえ、実際のところ。