講義のネット配信に著作権の壁? | 大学という斜陽産業

講義のネット配信に著作権の壁?

つい先日、大阪大学、京都大学、慶應義塾大学、東京工業大学、東京大学、早稲田大学が日本オープンコースウエア(OCW)連絡会(http://www.jocw.jp/ )を設立し、講義情報をインターネット上で無料で公開し始めたとのニュースがあった。これに関するエントリーは色々なブログで取り上げられているが、昨日、日経で読んだニュースには今まで気にもしなかったことが書いてあった。



講師が他人が書いた教科書を使って行った講義を配信すると著作権侵害に当たる可能性があるといわれている。


「『講義』の配信前 内容確認可能に」日本経済新聞2005年5月25日より(このエントリー執筆時点では、ネットでこの記事を読めなかった。)


専門家にとっては当たり前なのかもしれないけれど、これは本当に意外。こんなところで著作権侵害が生じるとは。通常の講義は関係なく、あくまでも、ネット等で配信した場合なのだろうけど。こう考えると、放送大学のテキストがすべてオリジナルであるのも納得できる。使用した教科書の執筆者に許可を得ればよいのかもしれないけれど、著作権料を支払わなければならないなら、無料で公開できなくなるしなあ。


ちょっと話はずれるかもしれないが、大学教員が書籍等を書いた場合、アメリカでは、印税も大学に召し上げられるケースもあるらしい。論文執筆時の盗用、剽窃はもってのほかだが、これからはもっと著作権などを意識しなければならないのだろう。同僚が、市販の問題集をコピーして小テスト等に利用しているケースをよく見る。このようなケースも著作権侵害だろうな、とは思っていた。そして、これまではある意味大目にみられていたのかもしれないが、これからはそうはいかなくなるのだろう。