父母会
新年度の行事と言えば、やはり入学式が真っ先に頭に浮かんでくる。最近では、父母の出席は当然のようで、どうも自分の感覚とは一致しない。学校によっては、父母の席の方が多いところもあるようである(幼稚園だと、父母に祖父母と、入園児の数倍の保護者の出席があったりすると聞いたこともある)。
これほど父母が大学に、というか子供の大学生活に関心があるようだと、大学も何もしない訳にはいかなくなる。そのせいだろうか、具体的な名称は異なるが、最近どこの大学にも、父母会のような組織があるようだ(自分の学生時代にはあったのかなかったのかさえわからない)。
多くの場合、学費以外に会費を徴収する。その代わり(?)、様々な情報を父母に提供したり、父母と面談の機会を設けたりする。父母の関心事といえば、当然子供の就職。成績は卒業できるか否かが重要で、その内容は二の次のようである。内定が出ている場合は、とにかく卒業させろ、という親までいたりする。そうなると、本当に大学の役割ってわからなくなる。
「ちゃんと大学に行っているかどうか、出席状況を逐次報告して欲しい」とか言われてもねえ。
「うちの子は毎日ちゃんと大学に行っているのに、どうしてこんなに成績が悪いのでしょうか」と言われても返答に困ってしまう。
確かに、日本の場合、たいていは父母が学費負担者であるので、彼らに説明する責任はあるのだろう。でも、なんとく方向性が間違っているような気がするのは、旧態依然の思考から抜け出せない自分だけなのだろうか。