ドラマ「愛の、がっこう。」
第7話「生活指導」が放送された後に
感じたことを書いてみます。
病院の廊下で
大雅と母親の奈央が話すシーンでの
ふたりのやり取りに胸が痛くなりました。
特に奈央が言った次の言葉が苦しかった。
私のことひどい母親だと思ってるみたいだけど
私だって傷ついたのよ。
私高校中退だから子供には大学に
いかせてやりたかったの。
でもあんたほら、小学校に入るなり、
かなりのあれだったじゃない。
夢を壊されて、ショックで
どうしたらいいかわかんなかった。
この奈央の言い方には、
親としての愛が全く感じられません。
大学に行けなかったという
自分の叶わなかった思いを息子に託す…
100歩譲って
それくらいは有りかもしれませんが、
読み書きが難しい子どもだと知った時に
夢を壊された、ショックを受けたなんて
「お前のせいで母さんは不幸になった」
と子どもに言ってるようなもの。
ひどすぎる…。
でも、思ったんですよね。
奈央は大雅を傷つけたくて言ってるわけではなく
これが彼女の本音なんだなって。
彼女は当時どうしたらいいか
本当にわからなかったのだな…と。
奈央にも自分を育てた親がいて
人は皆 親の影響を受けて育つしかなくて
それに
子どもの育て方なんて誰も教えてくれない。
子が生まれたときの親はとても未熟だから
自分が親にされてきたようにするしかない。
それに奈央の場合
父親不在で相談する人もいなかっただろうし
経済的な不安もあっただろうし。
時々「二重人格なのかしら?」
と思わせるほど態度が変わるのも気になります。
お酒のせいなのかな。
そして
アイス奢ってあげたじゃない
というセリフが、この母親の感覚を
絶妙に表現している気がしました。
買ってあげた、ではなく、奢ってあげた。
我が子が自立するまで
食べ物や住まいを与えるのは親の義務
というのが世間一般の常識で
普通は
自分の子どもに「奢る」という表現はしません。
この人はたぶん感覚がズレている。
でもそれは仕方がないのだ。
何故ならきっと彼女は
そのような観念を
親から引き継いで育ったから。
利害関係がない
ただ純粋に人を愛する喜びを
経験したことがないのかもしれない。
無償の愛を
与えられてこなかったのかもしれない。
人間関係構築の方法として
「してあげたんだから私にもしなさい」
と無意識に思ってる感じです。
入院した息子のために
病院に来て保証人になってあげたのだから、
300万円も用意してもらえるよね?
と自然に考えているのだと思いました。
退院してからでいいよという言葉も
それが優しさだと思っている。マジで。
すべてが「アイス奢ってあげる」ような感覚。
奈央にとって、幸せとは、愛とは何なのか
それは誰にもわからないことなのだけれど…
見ていて胸が苦しくなりました。
一方で大雅は
金づるにされる憎しみと
母親に愛されたい欲求の狭間で
苦しみながら生きてきたのだと想像するけれど
愛実と出会い
初めて人を心から愛する体験をすることで
ひとりの男性として自律して
母親との関係性も
少しずつ変化していくような気がします。
ドラマ「愛の、がっこう。」は
あちこちで
人と人が傷つけ合い
必死で自分を守りながら生きている
そんな風に見える今の世界で
愛とは何なのか?
真正面から考えさせるドラマだなと思います。
奈央の生き方は母親として失格なのか?
それを誰かに裁く権利はあるのか?
無償の愛を注いできたと
言い張る高級官僚の娘は
愛を求めて苦しんでいるし、
お前のことはパパが1番よくわかってると
価値観の押し付けしてきた親の娘は
心の扉の鍵が閉じたまま生きてきたことに
気づき自律の道を探り始めている。
ドラマのタイトルが
なぜ「愛のがっこう」なのか
だんだんと見えてきているのかもしれません。
登場人物それぞれの
心のありさまと関係性が
これからもっと深掘りされていきそうで
とても楽しみです♪
それにしても
奈央役のりょうさんの演技が素晴らしく、
お二人とも美男美女の高身長で
ラウールさんと親子という設定に
全く無理がないのが
スゴすぎるカッコ良すぎる![]()
と毎回感動している✨
まんまるスフィア
でした。
See you
