ナイト | sphere

sphere

自作歌詞・詩置き場。
’13ブログリより移転しました。

気まぐれな猫の瞳(め)は
今日も月を見上げる
きっと 違う世界が
あなたには見えるのね

真っ暗な夜に泣く
足跡は涼しげに
泣かないで、大丈夫
そうは言わないけれど

澄んだ光
あたしはきっと
あなたになりたかった

柔らかい匂いも
そっけない仕草も
紅い傷痕さえ
愛しく思えるの

壊れゆく世界で
同じ夜空の中
どうかあなただけは
側にいてほしいから

黒猫は寄り添って
今日も月を見上げる
変わらない空の色
あたしは怖かったの

声はひとつ
ちいさな温度
ゆっくりと冷えてった

あなたの隣なら
寒さを知っていた
言葉も忘れずに
あたしでいられたの

半分のあたしが
きっと見つけるから
"明日"の終わる夜
それまで待っていてね

それはずっと昔の
世界が壊れた夜。
水面に映る月は
優しい色をしていた。














20120117

『二四〇九階の彼女』という小説に登場する『彼女と彼女』の物語をイメージしています。わかりにくい。

一応解説すると、賢すぎて世界の真実を知った彼女は、飼っていた黒猫と共に追放され、永遠に夜空の下で暮らすことになりました。そこで、やがて世界が滅びることを知った彼女は脱出の為の方法を探しますが、やがて黒猫が死んでしまい、結果として脱出は叶わないまま彼女の世界は崩れてしまう。

小説の主人公は彼女ではないんですが、彼女が一番好きです。

一応、タイトルはNightとKnightどちらでも。転載に当たり英語表記からカタカナにしました。