てのひらに零れた
ひらり 千切れた羽
見上げた空には
影のひとつもなく
ああ どうして
こんなに色褪せた?
この手の中 痛いほどの紅も
温度(いろ)を 亡くして
憧れていた
彼方を翔る翼は
あまりにも
儚いことを知って
鮮明な傷痕だけが
瞳を刺した
身勝手な理想に
気付いてはいたのに
夢を追う その途中で
忘れていたんだ
ああ どんなに
願いを叫んでも
盲目の世界の中
「本当は何を願ってたの?」
"痛い゛ 違う
そう思っているだけで
傷を負ったのは自分じゃない
三人称の遠い場所
憧れていた
彼方を翔る翼は
あまりにも
非現実(アンリアル)めいていて
空に伸ばした
てのひらに捕まえた
その中にあるもの
視ることを怖れて
目を背けていた
20110115
夢や憧れを持っている人は、それを失うとすべてを失ったような抜け殻になってしまう。
大多数の人間はそこから立ち直ってまた前を向けるのだろうけど、中にはそれができない不器用な人間も居る。
これはそんな詞です。
結局何も救われないのも、理想論ではない、と言うことで。