最初で最後の、 | sphere

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自作歌詞・詩置き場。
’13ブログリより移転しました。

駆け抜ける路地 飛び交う
『生』を終わらせる力
たった数日でも長く
生きたいと 願った

ありふれた歌 聞こえる
格子の向こう側で
泣きながら繰り返す
白い月が消えそうな夜

きっとあの子はもう
出られはしないだろう
それが
あの子に残された
唯一の手段

次の朝が来るまで
眠るのが怖くて
膝を抱えて座り込んで
ただ星空に怯えるばかり
そんな僕は 僕は、

神様の皮を被った
太った大人たちが笑う
構わない、どうでもいいよ
左胸が動いているなら

もしもあの子が
動かない人形になっても
それがこの世界の全て?
僕に『死』を告げる場所

今日もきっと歌うんだ
目覚めが怖くて
「こんな日々 終わればいい」
終焉(ねむり)以外に逃げ道はない
そんな君は 君は、

どうせ僅かな価値の
生命しかないなら
僕の終わりから始まる
君の世界を創ろう

歌を聞いていたんだ
だから知っているよ
君を
助けたい。

『僕など気にしないで
振り向かず走って』
意識 途切れて 体 崩れ落ちて
それでも それだけ叫んで

生まれて今日は何年目
誰も教えてくれなくて
愛すること愛されること
知らなくても
僕は、








20090110

改題と改訂、やや多め。
没にしてやろうかと思いましたが最後の方の言葉選びというか流れが自分でも好きだったので最初の方を必死に直しましたw
元々微妙に骨だけできていた短編の焼き直しなんですが、当初は彼女と逃げ出すことになっていたみたいです。どんな感じだったか覚えてないけど。