本谷有希子の親戚の子供はどのお年玉を選ぶべきだったのか? | スペランカーたちのブログ

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 今日、仕事帰りにTBSラジオの「ザ・トップ5」を聴いていたら、小説家の本谷有希子さんが親戚の子供にお年玉をあげた時のことを話していました。本谷さんは以下の2つの選択肢を子供に与えたそうです。

①3つのお年玉袋がある。中身は千円、千円、1万円。このなかから1つを選んでもらえる。
②中身が3千円のお年玉袋をもらえる。

 みなさんはどちらを選びますか?

 本谷さんの親戚の子供たちは全員②を選択したそうです。

 「今の子って、みんなこうなのかよ・・・」と本谷さんは嘆いていました。

 確かに「固い」ですよねw

 でも本当はどちらの選択が正しかったのでしょう?

 ①の場合の期待値を計算してみると・・・

 (1000 + 1000 + 10000) ×1/3 = 4000円

 となり、②の3千円を上回ります。

 ですから本当は①のほうが良かったと言えますね。

 ここまででも確率好きの私には面白い話なのですが、さらに本谷さんのお年玉の話は続きます。

 本谷さんはもし子供達が①を選んだとき、3つのなかからどの袋を選ぶかを通じて「モンティ・ホール問題」について子供たちに教えたかった、と話してました。

 「モンティ・ホール問題」

 私は初めて聴く言葉でしたが、このようなことでした。

・子供は3つの袋のなかから1万円が入ってると思う袋を選びます。

・本谷さん(どの袋のなかに1万円が入ってるか知ってる)は残りの2つの袋のうち1万円が入ってないほうの袋を除きます。

・ここで子供に再選択できる権利が与えれます。

・残った2つの袋のうち、どちらに1万円が入っていると思いますか?

・最初に自分が選択した袋にしますか? それとも最初に選択しなかった袋にしますか?


 子供役の伊藤隆太アナウンサーは「最初に選択したほう」を選んで千円を引いてしまいました。本谷さんは

「これは起こるべくして起こった結果です。実は最初に選択したほうと違うほうを選んだほうが1万円を引く確率が高いんです。でも、このように人間は最初に選択した直感を信じてしまう傾向がある、というのがモンティ・ホール問題です。」

 と話しておりました。

 私はこれを聴いてマジで!?と思い、速攻でラジオを消して冷静に考えたところ、なるほど、確かに最初に選んだ袋が1万円の確率は1/3なのに対し、最初に選ばなかった袋が1万円の確率は2/3ですね! しかし、直感ではなかなかそう思えませんでした。

 ラジオでも言ってましたが「3枚の袋」ではなく「1000枚の袋」の場合を考えるとわかりやすいです。まず最初に1000枚の袋のなかから1つ選択して、残り999袋のなかから998袋の外れを除いて、2袋のどっちかを再選択・・・だったら? これは感覚的にもどっちが正解かわかりますよね。

 でも「3袋」だと感覚的にどっちが正解かわかりづらくなってるんです。これがこの問題のキモであり、そして「どっちかわかんないんだったら、最初の自分の直感を信じよう!」という人間の心理。これは確かに働きそうです。

 私はパチンコを通じて確率に潜むワナを身をもって体験しましたが、このモンティ・ホール問題も確率のワナを見事に教えてくれてます。

 いい話を聞きました。

 さて、最初の選択に戻りましょう。

①3つのお年玉袋がある。中身は千円、千円、1万円。このなかから1つを選んでもらえる。
②中身が3千円のお年玉袋をもらえる。

 子供達はどちらを選ぶべきだったか?

 もちろん①が正解でした。もらえるお金の期待値も大きいし、なによりも今後の人生に役に立つ本谷お姉さんのお話を身をもって勉強することができたからです!