鬱と迂闊な月曜日 -129ページ目

76億人。

世界の人口は数秒毎にどんどん増え続けている。

いま76億人と言われていますが、この中で希死念慮を抱いているひとはどれくらいいるのでしょうか。
僕は76億分の1です。

だから、僕ひとり消えても世界は何も変わらないのだ。

毎日死にたいと思っている。
死にたい。それは何故。自分でもわからない。
でも死にたいと考える。

世間的には間違ってることかもしれないけど、この気持ちに嘘はないのだ。

ひとはいつか死ぬ。誰しもがいつか死ぬ。
不老不死なんてない。

だからね、いつ死ぬかを決めるのは自分でいいと考える。

法律で死んではいけないとはないからね。
法で裁けないならいいんじゃないかな。
悲しむひとはいるかもしれないけど、迷惑はかけないし、なにしろ僕みたいな重たい人間がこの世からいなくなったら、みんなが軽くなる。

僕ひとりいなくなったら、その分食べられなかったひとが食べられるようになる。

世の中はそうゆうシステムでできているんだ。

いつも考えるのは、どのように死ぬかだ。
死に方と、発見されるタイミング。それから場所。

毎晩目をつぶりながら妄想する。
妄想こ中で自分を殺すのだ。

ま、そんな感じの毎日です。

僕の願いはいつも大概叶わない。

いつかね。


アデュ。

未咲シキ。

記憶。

楽しかった事。
悲しかった事。

ありますか?
思い出ありますか?

13歳のとき恋をしました。
毎日ドキドキして、抑えられない感情。
いづみ。
青春という言葉が嫌いないづみ。

中学の2年生から3年生まで同じクラスで過ごしました。

席が前後になったこともありました。
後ろがいづみで前が僕。

気持ちを伝えたい。でもできない。
そんな性格でした。

2年生の学園祭のときに、教室で二人きりになったことがありました。
チャンス!
でも僕は必要でもないハサミをかりることしかできなかった。

髪が長くてね、お下げをしてたいづみ。
あるとき席替えでまた席が前後になった。
今度はいづみが前で僕が後ろ。

いづみの隣の席はいづみの親友のゆきえ。

ある日ゆきえが僕に言った。
いづみの髪を三つ編みのお下げにしてあげてと。
そう。ゆきえだけは僕の気持ちに気づいていたんです。
後日談だけど、いづみも僕を好いてくれていたらしいです。

で、僕はドキドキで震える手で髪を編みました。
結局下手くそでゆきえに直されちゃったけど。

3年生最後の年。

いづみは学校を休みがちになりました。
たまに登校してくると、やっぱり可愛くてドキドキしました。嬉しくて嬉しくて。嬉しいんです。

ある秋の雨の日の放課後。
ゆきえに音楽室につれていかれました。
音楽室にはピアノの前に座るいづみがいました。
髪をバッサリ切ったいづみ。
なんかぼぉーっとその姿を眺めていたらゆきえがいなくなってました。

いづみにどうした?と聞くと、いづみは何も応えずにピアノを弾き始めました。

きらきら星。

すぅっと耳に音が入ってくる。
ちいちゃい頃から何度も聴いていた音なのに、なんだか違った。表現しづらいけど、なんか違った。

ピアノを弾いているいづみを見ながら心地良く入ってくる音。

ただそこに僕はたっていて、いづみが弾く。

弾き終わったのもわからないくらい見つめていて、気づいたらいづみは立っていた。

そこでようやく我に返って、上手だったと伝えた。

いづみは笑った。

窓の外を見るとマジックアワーで、雨は止んでおり、星が出ていた。

きらきら星。

もう暗いから帰ろうと声をかけると、まだ帰らないとダダをこねる。
どうしてかわからなかったけど、その時間を付き合うことにした。

人の記憶とは曖昧なもので、その時どんな話をしたのかを覚えていない。
振り返るととても大切な瞬間だったのに。


翌日からいづみまた休むようになった。

それからずっと卒業式まで。
卒業式の日にゆきえから一通の手紙をもらった。
いづみからだ。

僕の本名様。
から始まり、いづみの気持ちがたくさん書きつなれてあった。

最後にこんなことが。
ごめんなさい。ゆきえからは気持ちを聞いてました。
ごめんなさい。病気のこと黙っていてごめんなさい。
ごめんなさい。気持ちを伝えたかった。

でもね、この2年間楽しかった。
ドキドキしていた。こんな気持ちは初めてでした。

あーあ。気持ち伝えておけばよかったな。

口下手な君に。ちょっとヤンチャな君に。三つ編みが下手な君に。

ありがとう。
幸せでした。

私は君のこと好きでした。


そんな手紙を卒業式に、もらい、ゆきえからいづみが死んだ事をしらされた。
11月のことだったらしい。

ゆきえを怒った。
なんでしらせなかった。
なんでしらせなかった。

ゆきえはいづみから頼まれていたらしい。
弱る自分を見せたくなかったのだと。


記憶。
楽しかった事。
悲しかった事。

全部含めていづみとの思い出です。

誰にも話したことありません。
今では僕とゆきえしかしらないこと。

あの手紙今でも持っています。

消えたり薄れていく記憶もあると思うけど、あの13歳からの出来事を一生忘れることはないでしょう。

だってグレた僕を止めてくれたひとだから。
毎日をドキドキのきらきら星に変えてくれたひとだから。


ふぅ。
今の医療なら彼女を救えたのかな。

クソッタレと天に唾を吐くと自分に返ってくるんです。


楽しかった事。
悲しかった事。

忘れる必要はないし、乗り越えることでもない。
自分の心の中積み重ねていくのだ。

そうして心を強くしていく。

僕はね。

またいつか、どこかできらきら星聴こえてくるかな。



アデュ。

未咲シキ。

一歩進んで。二歩下がらず。また一歩。

今までの人生、いつも一歩踏み出した。

中学の時、荒れていて、怪我をさせたし、怪我をさせられた。
そんな僕を親は心配した。
けど荒れた日々は続き、ある日背後から机で頭をぶん殴られて激しく流血した。
その時思った。
ああ、もう飽きたなって。
だから負けは認めたくないけど、一歩踏み出して親に土下座し、今までの事を謝った。

社会人になった。
普通はそこに骨を埋める気で働くのだろうけど、僕は違った。
いろいろな事を経験したかったのだ。
兄弟はひと所でがんばってるのに、僕は四年スパンくらいで転職をした。
でもそこには一歩踏み出す覚悟があるのだ。

新しい職につくと、一番下から始まるからだ。
歳下の先輩がいるのだ。
プライドのかたまりの自分をぐっと抑えて、毎日彼らから学んで、必ず追い抜かす目標があったのだ。
だから毎日耐えることができたのだ。

結局は4回転職して、こんな僕でも結婚ができ、子供を授かることもできた。

結婚は数年前に終わってしまったけど、今でも何をするときも一歩踏み出す。

つまり、何にも負けたくないのだ。

恥ずかしい話、人に言えない事がある。
けれども一歩も引かない。

下がったって何にもならない。
進むしかないのだ。

いま勤めている障害者を支援してくる就労支援の事業所で働いている。

近々個人面談がある。
そこでまた一歩踏み出そうと思う。
毎日が平坦で、職員も利用者も何かを発想しようとしない。
だから、いまやりたいことがある。
それが可能なのか不可能なのかわからないけど、やってみないことにはわからないから、挑戦しようと思う。

と、ここまではなんとなく格好良く聞こえそうだけど、逃げたことも何回もあったよ。

人様に迷惑をかけたこともある。

だからこそ負けない自分をつくっていくんだ。

一般の社会に飛び出すイメージはないけども、いまの事業所で何かを残したいのだ。
その会社が活気にあふれて潤うようにしたい。
国にばかり頼るようなゆるい事業にはしたくないのだ。

人生、これから何度となく分かれ道があると思う。
その時に迷いながらも一歩踏み出して、前に進んでいくのだ。

下がっても過去に戻れるわけじゃないからね。

一歩。二歩。三歩!

さぁ。進もうよ!


アデュ。

未咲シキ。