大ぼら一代番外地 -1751ページ目

Minneapolis

4月10日。朝飯を求めダイニングへ。昨年このホテルに投宿せし際、我々の前座として共にツアーせしDanavaの面々が、ワッフルを焼きし様を見ておれば,今年こそワッフル焼きに挑まん。先ずはアメリカの警察官の夢たるドーナツを食らい、いざワッフルベーカーへ。

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ワッフルの種をカップに注ぎ、

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ワッフル型鉄板に流し込み、

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蓋をしてスイングし一回転、

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2分半にて見事焼き上がり。

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メイプルシロップをぶっ掛ければ完成。

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味がどうのと云うよりも、焼く作業が大いに楽しきかな。

トーストにソーセージ入りクラムチャウダーの如きを挟み弁当とす。果たして美味いか否か、この段階では知る由もなけれども、食してみれば意外や充分に食し得る範疇なり。

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さてJustinは、食後の運動として温水プールにてひと泳ぎすると宣えば、私はMedora散策に出掛けん。気温ほぼ零度にして風が吹き荒ぶ中、何が嬉しくて散歩なんぞと思えども、何しろ開拓時代の如き古き街並なれば、昨年も独り散策せしものなれど、大いに興味深し。観光シーズンにあらねば、殆どの店は閉まっており、通行人も皆無にして、極稀にトラックとすれ違う程度、西部劇映画にて見受けられるゴーストタウンを想起せし。

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ストリートサインもウエスタン調、

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コカコーラの自販機さえウエスタン調、

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昨夜訪れしIron Horse Bar、

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同じく昨夜訪れしLittle Missouri Saloon、扉の両側に西部劇映画の酒場にてお馴染みウエスタンドアが付けられしは、夏期の観光シーズン用か。

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さてMinneapolisを目指し出発、いきなり残雪が現れれば、果てしなく退屈なる景色に、一層の荒涼感を添えるものなり。

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皮肉にも残雪は増すばかり。

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東君の力作の弁当は、本人曰く「食パンがごはんで、ドーナツがおかず、茹で玉子(コップの中)はデザートに見立てられた『洋風弁当』」との事。

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漸く残雪も薄くなって来れば、今度は延々続く湿地帯へ突入。

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昨夜のリベンジを果たさんとするJustinは、KFCを発見するや有無を云わさず突入。私はクリスピーチキンサンドウィッチを所望、確かにJustinの語る通りバーガーキングのものより肉もジューシーにして美味なり。況してやマクドのお粗末な代物とは比べようもなし。チキンサンドウィッチの方が、ハンバーガーよりも胃もたれせず食し易きかな。

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午後7時、Minneapolisへ到着するや、我々の「神」たるJustinは、ライヴ会場にあらずレコード屋に横付け。このレコード屋は、以前Kinskiのゲストギタリストとして彼等の北米ツアーに参加せし際、Chrisが「Minneapolisのあのレコード屋に絶対行きたい!」との執念から、SeattleーMinneapolis間を僅か2日間で走破、その折に訪れしレコード屋なり。レア盤を含めその安価さと膨大なる在庫量を前に、不覚にも一気に脳汁噴出、厳選する事を心に固く誓いながらも、果たして冷静に厳選なんぞ叶うものか。結局何とか厳選叶い数枚購入にて纏め得れば、我ながら自らの意志の強さを再認識せしものか。レコードジャンキー津山さんは、膨大な$1.00コーナー(我々の呼ぶ処の「かすコーナー」)を前に、またしても脳汁迸り大量購入して御満悦。東君はツアー前の経済破綻を理由に、ここも1枚のみ購入にて耐え忍んでおられれば、何とも気の毒なり。私の理屈では「どうせいつかは買うんやから安く見つけた時に買うた方が得」たとえ今現在金欠に喘いでいようが、将来的にいつかは購入せん事に間違いなく、ならば少しでも早く入手するに越した事なし。故に「金が無くても使う」と云われる程に消費家なるか。

さて漸く今宵の会場7th Street Entryに到着。晩飯を求め界隈を探索すれば、タイ料理屋を発見、カレー炒飯の「very hot(激辛)」を所望、ウエイターから「アメリカのvery hotではなくタイのvery hotだが大丈夫か?」と問われる程なれば、さぞかし激辛ならんと大いに愉しみにしておれど、確かに所謂very hotよりは辛けれど、激辛党の私には「マイルドでええ塩梅」なり。御陰で先ずはマイルドなオリジナルの味を堪能、続けてハバネロソースを投入し激辛バージョンも堪能せしものなり。

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今宵もライヴは盛況にて終了。オフ翌日のライヴとは、往々にして妙に疲労を感ずるものにして、故にツアーに於いては、常々連日休みなしにライヴを行うを好むものなり。

終演後、Justinの友人宅たる投宿先へ向かう道中、アメリカ軍団及びピザ大好きな東君の5名は、夜食にピザを購入。日本に於けるラーメンの如く、欧米に於いてはピザが夜食の定番なり。

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隣接するコンビニへ立ち寄れば、当然弁当やおにぎりが在ろう筈も無く、強烈な甘き匂いを醸し出すドーナツ類が並ぶ有様。これも今や見慣れし光景とは云え、もしもここに弁当やらおにぎりが並べられておれば、金に糸目を付けず購入せんと思う処。

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大いに疲労困憊なる私は、投宿先に到着するや「何処でもどんな騒がしくてもどんな明るくても3秒以内で寝られる」特技を持ち合わせておれば、皆がピザを食らいつつビール片手に盛り上がる中、斯様な喧噪なんぞ全くものともせず、リビングの床にて即寝成仏。





Medora

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4月9日、午前8時起床。ダイニングへ朝飯を求め同室の東君と出動。オーナー夫婦は既にコーヒーやらケーキ等を用意してくれており、そのケーキなんぞ摘みつつ朝飯を待つ。ところでこのケーキの美味さと云えば筆舌に尽くせぬ程にして、思わず全部食らわんとする程なり。

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朝飯は、カリカリに焼かれしベーコン、タイムの風味が効きしスクランブルエッグ、パンケーキ、オレンジ、そして絞り立てオレンジジュースと云う、典型的なアメリカの朝飯なり。更に我々の為に米も炊いてくれれば、皆でふりかけを以て頂き、更に各自タッパにお弁当として詰め込む次第。私は今回タッパを持参し忘れし故、先日食せし電子レンジにて調理するカップ焼きそばの器にごはんを詰める作戦に出し。

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Gost Rail Innは、各部屋は勿論至る所にテディーベアが飾られており、風見鶏は汽車にして、何ともその可愛い気さがオーナー夫婦の人柄を表さん。

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階段の壁にはその百年の歴史を綴る外観の写真が飾られる。

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「きっと今年も春先にやって来ると楽しみに待っていた」と語るオーナー夫婦に「ではまた来年お会いしましょう!」と別れを告げ、Ghost Rail Innを後に。

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本日も引き続き大移動日にして、目的地は開拓時代の風情が残る街Medoraなり。
気が付けば景色は一面真っ白どころか吹雪となりし。

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街道沿いにて質屋を見つけるや、Justinが問う。「質屋に立ち寄ってもいいか?」「勿論!」と云う塩梅にて、いざ質屋へ。

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入口には鞍が山と積まれておれば、流石はカウボーイの国なり。

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中を覗けば、壁一面にバイソンやらトナカイやら熊やら鹿やらの頭の剥製が並ぶ。

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狩猟道具かさてまた競技用かは存ぜぬが殺傷能力の高そうな弓矢が並ぶ。

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弓矢どころかレジカウンター内にはライフルやらピストルが並び、流石はパイオニア・スピリットの国アメリカ。

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付近にもう数件質屋が建ち並ぶと聞き知れば、続けて出動。

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こちらも矢張り剥製が所狭しと置かれておれど、成る程鹿の角とは斯くして使うものなりしか。

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奥にはミリタリーグッズの山。

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更に続けてもう1軒へ。

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店内に入ればいきなり熊の剥製がお出迎え。

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矢張り剥製やら鞍やらライフルが並べられておれば、まさしくアメリカの質屋なり。

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出口付近には斯様な代物も。斯くもライフルなんぞ売られておれば、在って当然の代物なるか。

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再び車を走らせれば、モンタナの大自然を目の当たりにせんが如く、何とバイソンと遭遇、

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梟達に眺められ、

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あろう事か愛くるしき小熊にも遭遇、

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馬車を駆るカウボーイ達と挨拶を交わし、

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投げ縄を操るカウガールに思わず見蕩れ、

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流石はパイオニア・スピリットか、大胆極まりなきカウガールの野外入浴に大興奮、

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なんぞと云うテレビのバラエティー紀行番組の如きハプニングなんぞある筈もなく、果てしなく退屈なる景色が続くのみ。そもそも熊なんて未だ冬眠中やがな。退屈凌ぎに津山さんと2人してFrank Zappaの「Montana」を口ずさむのみ。

車中にて昼飯を食らわんと、各々タッパを取り出し、今朝Ghost Rail Innにて頂きしごはんに、ふりかけ等添え頂き始めれば、私はレトルトカレーを打っ掛け食さん。そもそも冷飯も冷めしカレーも好きなれば、レトルトカレーを温めずに食らうなんぞ全く以て問題なし。

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外を眺むれば牛。

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果てしなく退屈なる景色。

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斯くしてまたしても牛。

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果てしなく続く果てしなく退屈なる景色。

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果てしなく退屈なる景色にオアシスの如き若干の変化あらんや。

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GPSの画面も道路が画面をひたすら二分するのみ。

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矢張り果てしなく続く果てしなく退屈なる景色。

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トイレ休憩。トイレさえ果てしなき絶望感を醸し出さん。

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またしても果てしなく続く果てしなく退屈なる景色。

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陽が傾こうが一向にお構いなしとばかり果てしなく続く果てしなく退屈なる景色。

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陽が沈もうが当然果てしなく続く果てしなく退屈なる景色。最早景色を眺め悟りさえ開けん。

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空腹を訴えるJustinはKFCを求め彷徨、されど斯様なる絶望的景色が続くド田舎にはKFCどころかマクドさえ無し。今宵の投宿予定地Medoraは、昨年も投宿しておれば、夜更けにあの界隈にて飯を食える場所なんぞ皆無と存じておればこそ、彼が躍起になりて飯を食わんと躍起になるは当然か。幸いMedoraまで残す処20マイル程の地点にて、レストランが併設されしガソリンスタンドを発見、これにてJustinは漸く晩飯に辿り着けし。私はガソリンスタンドの売店にてCorn Dog所謂アメリカンドッグを所望。矢張りアメリカンドッグこそドライヴインの醍醐味なり。

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アメリカのコーヒーと云えば日本で呼ぶ処のアメリカンコーヒーなれど、果たして本場のアメリカンコーヒーとは(勿論アメリカにてアメリカンとは呼ぶ筈なし)、エスプレッソを好む私から云わせれば「色の付いた湯」、コーヒー党の東君が呼ぶ処の「不味コーヒー」なり。Justinを始め、車を運転する多くのアメリカ人はマイマグカップを持参しており、マグとは云え保温し得れば殆ど水筒の如きにして、そのデカさも半端ならず。Justinは休憩の度にコーヒーをマイマグカップに詰め購入しておれば、果たして1日何リットルのコーヒーを消費せしものやら。ガソリンスタンドにて売られるコーヒーのプラスティック製マグカップのデカさも、22oz(623g)、32oz(907g)、44oz(1.24kg)、果てはビールのピッチャーの如き超巨大な代物までに至る。(因みに日本のビール大ジョッキは700~1000mlなれば、22ozでさえ中ジョッキ以上、32ozで大ジョッキに相当)このコーヒーとホットドッグを以て$1.89とは何と安価なるか知れようものなり。

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深夜、本日の目的地Medoraに到着、昨年と同じホテルにチェックイン。兄ぃの携帯用電気調理器を拝借し、Bruceに貰いし韓国製火ラーメンに葱と韓国海苔をぶち込み食す。この火ラーメンなかなか美味なり。

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Justinと兄ぃと3人で、界隈のバーへ繰り出さんとすれば、昨年は閉まっておりしIron House Bar のみが営業中との事で、いざ出陣。バーテン嬢のBritneyは我々一行に興味を抱きしか、Justinから「日本のロックバンド」と紹介されれば、早速店内に置かれるインターネット・ジュークボックにて検索すれど、当然1曲も発見ならず。そもそもアングラにして、更に1曲20分以上あればジュークボックス向きにあらず。

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店内に屯ろする地元の酔っ払い親爺共と話しておれば、その中の1人が、私とJustinを覚えていると云う。何と彼は、昨年我々が訪れしバーのバーテンなり。今宵は自分の店を閉めこちらで飲んでいるとの事なれど、Justinが彼のバーに飾られる夥しき数のカウボーイハットを今一度見てみたいと訴えるや「よし!じゃあ俺の店で1杯やろう!」彼のバーLittle Missouri Saloonを特別に開けて頂ければ、そこいらに飾られる署名入りカウボーイハットこそ、ここを訪れしカウボーイ達の足跡なり。

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更に店内には大量の署名入り$1.00札が貼られておれば、これも署名入りカウボーイハット同様、このバーを訪れし客達の足跡なり。彼の要請にて、我々もここへ足跡を残す事となり、$1.00札に署名し貼って頂けば、大いに恐縮至極なり。

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夏は観光シーズンとなり、このMedoraも大層な賑わいとかで、この店内にてもカントリー&ウエスタンのライヴなんぞ行われるとか。「次は夏に来い!うちの店でも演奏してくれ!ところでお前らカントリー&ウエスタンは演奏出来るか?」

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Spokane

4月8日。ホテルをチェックアウトし、Barrett宅にて物販商品を撤収、いざロッキー越え。基本的に肉はチキンとベーコンしか食わぬJustinなれば、昼飯を食わんと立ち寄りしKFCにて「バーガーキングのチキンサンドより美味い!」以降Justinは、道中ひたすらKFCを探し求める事となる。
私が所望せしはSnackersなる新メニュー、クリスピーチキンとコールスローを挟みし小振りのサンドウィッチ2個と云う代物、これがなかなか美味にして、小さき故に1個を間食用にキープもし得、ポテトも他のファーストフードチェーンに比べ、圧倒的に美味なれば、私もJustinのKFC支持に一票を投じん。ハンバーガーを食らうならバーガーキングのWhopperなれど、チキンサンドウィッチを食らうなら矢張りKFCか。更にここのKFCはA&Wと合体しておれば、ドリンクバーは当然A&Wのルートビアを選択。

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本場のKFCにはカーネル・サンダースのピンボールマシーンさえ置かれておれば、当然こちらでも先日道頓堀川よりカーネル・サンダースが発見されし一件は話題となっており、引き上げられしカーネル・サンダースの写真についてJustin曰く「Zombie Cholonel!!!」

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昨年ケンタッキー州Luisvilleにて開催されしサイケフェス「Terrastock#7」にソロとして出演せし際、Justinも同行しておれば、2人してカーネル・サンダースの墓を観光せし。本場ケンタッキー州のKFCのみオリジナルレシピを以て「ヴードゥー・ゾンビ・パウダー」なるスパイスを使っておれば味が異なると聞きしものなれば、ゾンビ・カーネルも有り得ぬ話にあらずか。因みにLuisville空港にては、カーネル・サンダースとの記念撮影も叶うものなり。写真は昨年ケンタッキー州を訪れし際のもの。

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Settle郊外から針葉樹林へと突入すれば、景色は一変「雪やんけ!」

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針葉樹林地帯を越えれば、またしても絶望的に退屈な景色。立ち寄りしガソリンスタンドの隅に佇む骨董品屋も既に潰れておれば、その絶望的な風景に一体何を求めんや。

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斯様な中、運転免許証を所持せぬ津山さんは、何やら「乗り物」を見つけ御機嫌至極。首を傾けて「片山右京!」のギャグが、この絶望的な景色に儚く木霊せり。

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今夕は、Spokaneにてライヴなり。これは数日前にJustinが急遽ブッキングせしもので、常々SeattleとMinneapolis間とはロッキー山脈越えも含め丸2日半の大移動に明け暮れておれど、この移動期間にライヴがあれば、その分些かなりとギャラも貰える上、物販商品も売る事叶い、せめてこの大移動に要するガソリン代とホテル代は捻出出来ん。
されど果たして斯様な田舎町にて客は来るのか、何しろブッキングせしは僅か4日前なれば、大いに杞憂するものなり。されどいざ蓋を開ければ、アートギャラリー然とせしフリースペースなる会場The Object Spaceは満員御礼にて大盛況。大凡この街の若者やロック親爺全員が駆け付けしか。されど小さな子供連れの夫婦なんぞも来ておれば、果たして子供達は大丈夫なんか?Sonic Suicide Squadの演奏が始まるや、子供達は耳を塞ぐ始末にして、ほならワシらの演奏の時はどないなんねやろか?なんぞと危惧するも、我々が演奏する頃には、既に爆音慣れせしか無邪気に最前列で踊り遊ぶ有様、いと微笑まし。

終演後、ふと隣の家電屋を覗けば、何と冷蔵庫が寄り合い中。一応値札も付いておれば商品らしけれど、果たして売る気あるんか?

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「疾風のように現れて疾風のように去って行く」かの如くSpokaneを後にし、道中にて野菜ジュースV8の巨大ボトル、ハバネロソース、日清トップラーメン6パック、葱、大根を購入、いざ今宵の宿泊予定地Fish CreakのGhost Rail Innを目指す。

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立寄しガソリンスタンドのレジが車になっておれば、如何にもアメリカらしからん。

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そのガソリンスタンドにてタバスコ味のスナック菓子を購入、生憎お味の方は酸っぱさが辛さを凌いでおれば、大いに落胆。更に揚げ湯がかなり古いのか、油臭く猛烈な胸焼けを誘発せり。

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Ghost Rail Innは、昨年もお世話になっており、歴史的にも由緒ある宿なりけり。

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深夜、漸くGhost Rail Innに到着、扉には日本語にて「ようこそ」と書かれしメッセージが、昨年投宿せし折に撮影された我々の写真を添えて貼られており、何とも心温まるお出迎えなり。深夜にも関わらず夫婦揃いて出迎えて頂けば、有り難き事この上なし。

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オフシーズン故、他に宿泊客もおらず、部屋も自由に選ばせて頂けば、天蓋付きベッドのある通称「Princess Room」にSamとJonが仲睦まじく寝ると云う。欧米に於いてホテル等に宿泊せし際、たとえ同性同士にてダブルベッドをシェアする事も、然して違和感はないらしく、狭いシングルベッドや1人用の布団にて育ちし我々日本人とは大いに感覚が異なる模様。

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Justinと2人、隣のバーへと繰り出せば、天井から相当数のブラジャーが吊り下げられており、思わず爆笑。

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巨大なバイソンの頭にはベネチアの仮面が。

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壁には幻の動物Jackalopeの剥製もあり。

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因みにJackalopeとはこのような動物。

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Flying Jackalopeなるバージョンもあり。

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地元の酔っ払い親爺数人と歓談しつつビールを呷る。午前1時閉店と云う事で、Ghost Rail Innへ戻り、ネット接続し雑務。例によってラーメンの麺のみを用い、ポン酢と大根おろしと葱を添え、おろしポン酢ラーメンとして食らえば、矢張りおろしポン酢は大いに美味なり。

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