MultipleTap @ El 2 Music Hall Mérida | 大ぼら一代番外地

MultipleTap @ El 2 Music Hall Mérida

Méridaは本日も大快晴にて真夏日、ホテルの朝飯は、昨日同様トースト+コーヒーと知れば、ぶらり界隈散策しつつ朝飯を求めん。果たして何の気紛れか、ミサの声に導かれ教会なんぞ立ち寄るや、



パイプオルガンの演奏が、荘厳なれども心地良く教会内に共振共鳴せり。



公園にては市が立ち大層な賑わいにして、扠、朝飯は何を食らうべきかと、己れ自身に問えば、



実はメキシコ料理の味わいに辟易せしか、どうにも味の変化、食感の変化を求むるばかりにて、此処は是非とも中華料理屋にて米を食らわんと目論めど、生憎何処も未だ準備中とは不幸の極み、然れば結局「メキシコ料理以外」なる選択肢にて「バーガーキング」へ突撃、如何せんバーガーキングに於いては、忌まわしきマクドと異なり、朝飯にてもWhopperなんぞ所望し得れば、あのクソ不味きマクドの朝飯セットなんぞとは月と鼈雲泥の差、斯くして「Whopper meal」を所望すれど、税込み金額79ペソ(約560円)也とは随分贅沢な代物ならん。そこらのタコス屋台にてタコス食らえば、大いに美味にして、1個13ペソ(約90円)程度なれば、4個にて充分満腹と知れ。然りとて今は、どうにもメキシコ料理に辟易すれば、況して私は未だ4日もメキシコ滞在残す身にして、一旦リセットの必要あればこそ。常々Whopperにハバネロソース大量投下する私なれば、概ね初めてデフォルトにて食らうや、何とも肉々しきばかりの下衆な味わい、ハバネロやハラペーニョが其処此処に溢れ返るユカタン地方なれば、ファーストフードにも唐辛子なんぞ常備すべし。



一旦ホテルへ帰還すれば、中村としまる氏が、サボテンを繊維とせし高級シャツ購入され、腕時計の輝き具合もあれば、其の出立ちは、リゾートに訪れし金離れ宜しき地方開業医の如しか。



一旦部屋へ戻りシャワーを浴びれば、再び街へ繰り出さん。市が立つ公園界隈の路上にては、何やらイベント催され、大層な人集りなり。



流石は有名観光地かな、街には色取り取りの花を持った貧乏そうな顔つきの国鉄の客にはあらねど、雲霞の如き群れ上がる観光客にて、何処も彼処も人の海人の海人の海人の海。而して私は、有名な市場たるLucas de Galvez Marketへ繰り出さん。



生憎の日曜なれば、生鮮食品関連の仲買の多くは休業にして、市場特有の活気こそ堪能し損なえど、市場そのものの雰囲気は充分に堪能せり。如何せん嘗てはトラック運転手として、鮮魚や塩干商品なんぞ積み込み運べば、市場には随分縁深ければこそ。





ジュース屋台。



スパイス問屋街。



精肉問屋。半分以上は休業中なれど、数軒は営業中。



髑髏のマリア像が素晴らし過ぎなる、宗教グッズ問屋街に漂着。日本にて云う処の神具屋やら仏壇屋に該当せん。宗教グッズ蒐集家の私なれば、大いに血湧き肉踊る次第。







魚市場へ突撃すれば、ええ感じの食堂連なりて、



然ればその中の一軒、景気良く呼び込みされるオバチャンの店へ突撃せり。



如何せんこちとら全くスペイン語話せぬ有様なれど、向こうも英語なんぞ皆目解さぬ有様にして、同じラテン語系譜たるイタリア語なれば語彙も些か類似すれば、嘗て学ばんとせし稚拙なイタリア語+ゼスチャー+ノリを以て見事会話成立、ガラスケースに仕込まれしあれこれと、隣のオッサンが食らう料理なんぞ眺めつつ、



海老のタコスと烏賊墨のタコスを無事所望、これが共に激烈に美味なれど、特に烏賊墨の方は絶品至極にして、思わず3個追加、更にビールを所望せんとすれど、酒類の販売あらざれば残念至極。隣にてシュリンプ・カクテル摘まれるオッサンも、ビール所望されれど同じ憂目に遭わされれば、互いにその心境察し得しか顔見合わせ苦笑せり。



帰路に就けどどうにもビールを欲すれば、況してこの真夏日にして濁流の如き汗を流せば、ホテル界隈にてキンキンに冷えしビールを所望せんと目論めど、ホテル界隈の売店は、何処も酒類販売されぬ有様にて大失策。悔し紛れにマルちゃんヌードル「Con Camarón, Limón y Habanero(小海老とライムとハバネロ味)」 日清カップヌードル「Pollo con Habanero y Limón(チキンとハバネロとライム味)」所望、果たしてどちらが美味たるや。



クラッカー・コーナーにはジョーズ潜めば危険極まりなし。



斯くして失意の儘にホテルへ帰還するや、これぞ正に奇跡か天恵か、今井君が備蓄ビールを購入され帰還されしに運良く遭遇、1本御裾分け頂き呷れば、嗚呼、一発昇天極楽天国、これぞ至上の悦びの刹那なるかな。



午後3時、いざ今宵の会場たるEl 2 Music Hallへ出撃せん。



何と屋内のみならず、パティオにもPAスピーカーを設置、夜風に当たり乍らグラス片手に前衛音楽を堪能し得るとは、何と粋な計らいなるかな。



MultipleTapドキュメンタリー映画撮影される映像作家石川氏。



例のMayan Pubのバーテンダーも御運び下されば、物販テーブルにて作品解説される秋山さん之圖。



今宵先鋒を務め下さりしは、Yumiko Tanaka + Ko Ishikawa。ステージ後方の壁に、The Beatles「Abbey Road」のジャケットが大きくあしらわれれば、この日本伝統楽器を駆使される御二方とのミスマッチが何ともシュール且つ秀逸かな。



Atsuhiro Ito + Jacob Wick。本日も伊藤氏のOptronの圧倒的破壊力の前に、メキシコ勢完全玉砕されし次第、御愁傷様。



何とメキシコに於いて酒類の販売は、日曜は午後5時までにして、不覚にもテキーラのポケット瓶購入し損なえど、酒の神の御慈悲ならん、テキーラとアブサンの差し入れ頂けば、皆して御機嫌に飲み倒さん。














Makoto Kawabata solo。昨夜出番あらざりし私なれど、今宵はソロとセッションとのダブルヘッダーにして、先ずはソロより臨まんとす。先日逝去されしDaevid Allen追悼を以て、冒頭はドローンと共に「IAO Chant」朗詠、禁断の「Pink Lady Lemonade」も折り込みつつの20分程のセットたりし。



出番を控えクールな毛利さん之圖。あの凶悪極まりなきパフォーマンスを露程にも匂わせぬ、何とも素敵な佇まいなり。



Toshimaru Nakamura + Tetuzi Akiyama。サプライズ・ゲストにメキシコ勢を召喚されし。



Katsura Mouri solo。割られしレコードも飛散、今宵も凶悪極まりなし。



今宵もエンジニア務め下さるナンシー大奮闘。日本より専属エンジニアを携行たるも、MultipleTapのコンセプトの一貫なれば、遥かメキシコにて、勿論機材も異なり御苦労も少なくなからんと思われれど「Connect Chaotic Extreme Japanese Music Scene」を旨とされればこそ、是亦当然の理ならん。




Makoto Kawabata + Armando Martín + Israel Flores。先日共演せしドラマーIsraelに加え、セッティングの際よりフュージョン的速弾きを以て、均か私を威圧せんとされるギタリストたるメキシコ勢、いきなり先手必勝とばかりに退屈至極な所謂フリーミュージック的演奏を開始されれば、余りの酷さに思わず「Shut up!」と制止強制終了、而して仕切り直し漸く演奏開始、斯くも己れの演奏のみに固執される御仁とは、そもそも即興演奏に由るアンサンブルなんぞ成立せぬは当然、然ればこちらは気紛れにて大絶唱すらさせて頂き、時折制止強制終了も仕掛け、何とか楽曲として構成し得れば、最後は勿論勘鋭く楽器を収め下さる筈もなく、已む得ず「Shut up!」と、ドラムセットへギターを投げ付け、然れど未だ演奏止めぬ速弾きギターへは、ネックを押さえ演奏制止すれど、愚かしくも抵抗せんとされれば、尚も弾き続けんとする始末、然らば思わず回し蹴り食らわせ、是にて漸く終演せり。ライヴ写真あれこれネット上にて拾遺叶えば、此処に無断借用転載させて頂く次第、悪しからず。









今宵の殿を務め下さりしは、Katsuyoshi Kou + Makoto Oshiro + Takahiro Kawaguchi + UCNV 。



毎度乍ら謎のパフォーマンスは、会場内に大きな「?」を投げ放し、奇しくも天井にて浮かび上がらされしKISSが是亦いとをかし。



斯くして全てのプログラム終了すれば、会場内にて其の儘打ち上げへ突入せり。























MultipleTapメキシコ篇の無事終了を祝し、皆して記念撮影せり。







斯くしてメキシコ・ツアー5日目、Méridaの夜は更け行きし。

今回のMultipleTapメキシコ篇、参加されしミュージシャンやスタッフの皆様、亦、Gerardoを筆頭に現地スタッフも含め関係各位の皆様、どうも御疲れ様でした。
果たしてメキシコの地に、遠路遥々繰り出せし我々が、一体何を放ち何を残せしか、それは亦この先に伺い知るものなれど、コンセプトたる「日本の音楽シーンの混沌さと過剰さを再現する」に関せば、充分過ぎる程に全うされしと確信せり。

MultipleTapは、残念乍ら私は参加し得ねども、この後もドイツ、中国、欧州と続けば、9月には国内に於いても「秩父4D」にて結実されん。主催の康君の御苦労察し余りあるばかりなれど、いやはや日本発世界行きの足掛かりを、自ら切り開かんとされる姿勢は大いに共感、微力乍ら今後も是非協力させて頂かんと思うものなり。MultipleTap公式サイトがリニューアルされれば、興味抱かれる御仁は、是非ともチェックされたし。