豊洲市場問題の原因は。。。 | An Ulterior Weblog

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豊洲市場移転計画が揺れている。思うところがあったので書いておく。TVでも建築士が出てきていろいろコメントが出ているがずれた話が多いように思えた。

 

まずニューズを見て驚いたのが青果棟の地下で砕石だけの部分があったこと(もっと驚いたのは都議団が入るときにガス検知をしていなかったと後で知ったとき。人が酸欠で倒れてでもして強アルカリの水で病院送りになった場合、企業なら現場責任者はクビ)。地震のとき、周囲の圧力で内部に土が噴入して来る。作業者がいたら、出入口は塞がり、生埋めになる可能性が高い。

地盤液状化は以前から地震対策関係では指摘されていたし、1995年の阪神淡路大震災から設計・施工が法的にも見直されている。

豊洲の場合、荒川沖の海底のヘドロを浚渫利用した埋立地で地盤がもともととても悪い。3.11では下の土が100箇所以上で噴出している。盛土工事はその後の2012年に本格的に行われている。となれば普通はこの時点で地盤対策をする。

よってコンクリートの通路は地盤対策上と思う。普通の1軒屋でも地盤が悪いところでは10m以上の長い鋼管杭を鉄筋コンクリート基礎直下に450本打込むことも珍しくない。つまり、土は支えにならないので杭が支える。豊洲市場は1軒屋どころではない巨大な重い上物だから支えは大変。魚や設備の重みで鉄筋の床が抜けるのではないかとの指摘があるぐらいだ。超高層ビルに至っては最低地階層床面下は土はほとんどなく杭で埋め尽くされるほどである。豊洲の地下映像では柱が適切な間隔で立っているようだが、地盤支持には柱下に杭を打つだけでは足りない。そのために縦横に鉄筋コンクリートの渡し(道)を作って、その下に杭を何本も打って支えているはずだ。配管工事やメンテナンスの作業用に作った通路という話があるが、それは2次的と思う。これを建築関係者が指摘していないというのは一体どうしたことか?地盤の悪い埋立地なのだから絶対に気づかなければならない。もしかしたら、4.5m下まで空間にしたのは杭だけでは固い地盤に届かないため、さらに下に埋め込むためだったかもしれない。どっちにしても地盤強化はお金がかかる。増額の一部になっているはずだ。例外は残置。前の東京ガスの敷地に建物があって、その基礎杭を流用する場合。新規打込み分と混合しているかもしれないし、特に建築物がなければ新打ち分だけとなる。腐蝕の程度にもよるがアルカリ環境のようなので結構無事かも知れない。

 

また、もう1つ公開された水産仲卸売場棟の地下では底面にコンクリートが打たれている。どうして2つで違うのか?

液状化すると、地下の大きな空間には浮力が働き、上物ごと押し上げるので傾いて被害を受けやすい。その修正には莫大な工事費用が発生する。配管などの被害により火災などの二次災害も懸念される。こういうことを考えると青果棟のようにかかってきた土の圧力をまともに受けないよう砕石にして内部空間に逃がすことで被害を抑制することができる。いわば水産仲卸売場棟はベタ基礎で青果棟は布基礎だと言える。密閉して汚染物質を防ぐことに重心を置くか、液状化による浮沈抑制を重心に置くかの違い。これらが棟によって違うのは棟を設計した業者が違うからだ。業者の違いが液状化対策への思想の違いとなって地下の作り方の相違になっている(棟ごとに違うことから、都側から具体的な構造指定はなかったと思われるが、統一しようとかチェックの1つも都はしないのか?)。他の棟の基礎空間がどっちか、また別のものなのかはわからない。

 

豊洲の計画はJVが請けている。しかも、そのJVが予算の99.9%で落札しているという。談合は明白(今までこれをスクープしなかったマスコミは無能過ぎ)。受注後、あなたはこっち、わたしはあっちと分担して行われ、それぞれの設計思想で行われたのだろう。巨大プロジェクトで複数の業者が入っている場合、よくあることだし、今回は東京五輪が途中で決まり、豊洲の完成が開催に影響することから、スピードが求められて、バラバラで勝手に進めて指摘した問題を無視してきた結果と思う。ただ、高さだけは4.5mと一致しているのは空間を作れという都側からの要請があったと思われる。また、JVには今回の汚染土壌対策のことは知らされていなかった可能性もある(それでも施工側として良心があるなら、確認してどう対処するか考えることをすべきだ。利益が少ないからかいかにもお役所仕事への典型的対応に思う)。

 

では、どうあるべきだったのか?

これほど大きい建物の基礎の場合、一度にコンクリートを打つということは不可能。大抵はプレキャストと呼ばれる規格寸法の鉄筋入りコンクリートブロックのようなものの間をコンクリートで成型して繋げていく。その関係で繋ぎ目の部分から水が染み込む。これはどうしようもない。水圧がかかるところでは避けられない。それを防ぐために止水板などいろいろな手が打たれるがこれも設計者の思想によって選択される(こんな感じであれほど大きな面積の建物では盛土よりコンクリート施工は手間がかかりお金もかかる。盛土の方が安いはずだ)。地下水は恐ろしいもので雨や潮位で水位が簡単に上下する。水を防ぎ切る方法は大規模建物ではまず存在しない。どこまで低減できるかだけだ(なので個人宅で鉄筋造りは避けた方がよい)。盛土をしても地下水の上下から結局汚染物質は沁み上がってくる。だから、地下空間は無くし、配管など含め1mぐらいの空間に押し込んで地下底面をできるだけ上部の盛土の2m範囲に収まるようにベタ基礎にすることである。つまり、基礎下は下層盛土2m+上層盛土0.5mとする。これなら地下水は沁みることはあっても貯まることはない。あとは杭の最適な配置によって、液状化で傾きが極力出ないようにするしかない。

 

都としては五輪決定で時間の関係もあり、素早く動かなければならない。そうなると、都議会もスムーズに承諾を得ないといけない。主導的な自民、特に実力者内田茂に相談したはずだし、それぞれの企業のやり方を内田が都議会の中で承認に持ち込んで、バラバラであろうとなんだろうと、詳細を言わずに封印してすり抜けて来たということだろうと思う。全体の計画を監理精査する人間は誰一人いないのだろう。こんな巨大プロジェクトで監理責任者がはっきりしないという信じられない状況が続いていることが豊洲問題の原因だ。これは日本で特に顕著なある意味文化的な原因でもある。東京に限った話ではない。

都議の中には役人批判をしている人がいるが、認可責任は都議全員にもある。何を寝ぼけているのか。国家予算並みのお金を適切に動かすよう頭を働かさなければならないのに高給を貰いながら何もしない優雅な職業とよく言われるのが都議会議員である。舛添の追求も最初はせずにいて、リオ五輪に必要もないのに視察と称して旅行に行こうとした連中である。まともな仕事を期待する人はよほどお人好しだろう。

今回とリオ五輪の宣伝について言えば、小池知事を得たことは東京都民にとって幸いだったと言える。

 

 

戦犯はどうやら石原慎太郎前都知事のようだ(まあ、専門家会議や技術会議の意見を反故にできるのはこの人ぐらいだろうし、都庁に3日しか出てこない都政を舐めた愚かな作家だから十分やりかねない。何より批判を避ける役人が専門家のお墨付きを無視する危険など冒すわけがない)。小池知事がこの問題を把握したのはかなり早い段階だっただろう。対立する都議会は相手にせず、都庁役人との共同戦線を持ち、すでに石原と把握していたがそれには敢えて言及せず、世論の高まりの様子を見て、徐々に石原を炙り出すように周りを固めてきたのだろう。都知事選のときの石原親子の行動に対する意趣返しも含まれているかもしれない。これだけは何としてもやり遂げるだろう。

 

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床面の水の成分が議論になっている。コンクリートを通った雨水、いや土壌の成分が溶け込んだ地下水だと。地下水でなければなぜ、2つの棟で水嵩が10倍も違うのか。雨水が別の建物の10倍も貯まるのであれば欠陥施工以外の何物でもない。よくこんなことを言えるものだと呆れるし、大体、できてそれほど経っていないあの巨大な面積の建物で1cm以上も雨水が貯まること自体どうかしている。そんな物件は見たことがない。地下水が圧倒的なのは間違いない。それほど地下水の圧力は侮れないし、コンクリートは完璧ではない。疑問に思うのはどれほど防水処理をしてるのかだ。移転前にこれでは移転して10年、20年、一体どうなることやら。塩分は無く強アルカリということで言えば、コンクリートや鉄筋(D32か?)にとってはよいことではあるのだが。。。

 

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移転白紙撤回を見込んで受け取りを考えている企業が出てきているそうだが、では市場はどうしたらいいのか。候補地であった晴海か、築地再開発か。晴海は土地が高いかつ狭くなる。築地再開発は古いので壊すときに耐火用のアスベストや死の灰の第5福竜丸の投棄物(現時点で問題になるレベルかは知らないが、風評被害は出るだろう)などの懸念が残る。それに、都民の血税がさらに増大することは確実だ。豊洲は問題がこう大きく話題になったが、他にすれば問題がなかったかと言うとどっちにしても何がしか起こっただろうと思う。ただ、豊洲がここまで話題になってしまうと、世界的に日本の食品に対する風評被害が発生する。事は東京にとどまらず、日本全体に及ぶことを忘れてはいけない。技術的に明確な結論を無視するとこういう取り返しがつかないことになる。事務役人や政治家は心すべし。

 

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コンクリートでほとんどを埋め尽くすのは無理である。依然この意見がずいぶんあるようだが、やるとすると地下水が来ないよう2.5m以上分を埋めることになるが、これだけ注ぎ込んだら下の杭が地震に耐えられなくなる可能性がある。コンクリートだけだとヒビが入りやすいから鉄筋も適当に配置するとなおさら。ヒビができれば地下水が毛細管現象で沁み上がる。なのでむしろ2.5mあたりに鉄筋コンクリートの仕切り床を新たに設ける方が却って上がってこない。それでもこの増えた床分の重量が問題ないかどうかの検討は要る。仮にこれがよくても、風評被害は封殺できないから、どのみち豊洲は放棄するしか手がないだろう。

 

誰も指摘しない謎を1つ。豊洲の土地を手にして東京ガスが土壌改良を行った。当初ベンゼンは基準値の1000倍程度であった。ところが改良後に受け取ったあるときの検査で43000倍が出ている。どういう測定を行ったのか?揮発性のベンゼンでこれだけのものが検知され、そこらじゅうに漂っていたら、測定する人間は体調激変してもおかしくないはずだが。。。しかも、今回は地下水で全く検出されていない。揮発によって簡単に抜けるレベルとはとても思えない。43000倍という測定は正しかったのかどうか。専門家会議の米国製ソフトによるシミュレーションのデータ設定は妥当だったのか(盛土で安全との結論はこれに全て依っている)。豊洲住民も集団訴訟を起こしているらしいので、本当に豊洲の土壌は危険なものなのかどうか、もう一度、敷地のどこかで盛土より下の地面を測定すべきと思う。(私が担当者ならやる。測定をこの目で確かめるし、測定方法が妥当かどうかまで検討する)