コアヒート使用を予告したので、参考に特徴を書いておく。比較はカーボンヒーターと行った。なお、遠赤外線は赤外線の一部だが、話の展開上、遠赤外以外を赤外として2つに分けている。
<輻射が主>
輻射、つまり赤外や遠赤外がなぜ重要かというと体感温度の主要因だからである。
http://www.ads-network.co.jp/dannetu-keturo/air-con-08.htm
本文では輻射が4割とあるが、グラフからすると5割のようだ。
<出力と発色>
コアヒート(CH-124R、2015年製)は330~1150Wの出力範囲を10段階のツマミで調整。発色から発熱管の温度を推定した。
・1段階:実出力推定350W程度 250℃(暗闇でも全く光らず)
・5段階:実出力推定750W程度 500℃弱(暗闇ならわかるぼんやり赤み)
・10段階:1150W 700℃(暗い赤熱だが部屋が明るくても十分わかる)
これにより、コアヒートで遠赤外線を出すといっても、最大出力ではその割合が減る。遠赤外線は光らないが、温度の低いもの(100℃とか200℃とか)から高い割合で出る。これは温度だけで決まり、物体や物質には関係しない。しかし、低温ならいいかというとそう簡単ではない。
http://www.thermo-lab.com/first/emittance/
このグラフで1000K(=727℃)から2000Kあたりが通常のカーボンヒーターや電気ストーブの使用温度であり、どんどん左の短波長の割合が増える。左側に偏った山になっていることがそのことを示す。
内部によく浸透して温めてもらうには遠赤外線でも、より右の長波長がいい(カーボンヒーターは主波長1μm程度。コアヒートは波長範囲3~20μm)。高温になればなるほど、長波長の遠赤外線(通常5.6μm以上)が発生する。
つまり、中まで温めるにはできるだけ長波長がいいが、それを得るには高温がいいという一方で、高温になると全体での長波長の割合が減るというジレンマがある(これを明確に指摘している説明を見たことがない)。1150Wで出力するとたしかに温まるが、330Wのときより遠赤外線の量は減っている可能性がある(可視光や赤外にばかりエネルギーが使われる)。こればかりは正確なことは測定してみないと微妙だが、理論的にはこの3倍程度の出力差の範囲では330Wの方が遠赤外線の量は多いはずである。
前回、330Wで使うと書いたのにはこういう背景がある。カーボンヒーターは赤熱するのでこの点、コアヒートには敵わないので今回買ったわけである。理想を言えば1150Wでも真っ暗であれば、かなりの効果になるはずだが、いまのところ、全く赤みを帯びないヒーターは市販されていないようだ。
<遠赤外線の温かみは違う?>
よく、遠赤外線で他のヒーターより暖かく、電気代がお得になると宣伝されるが全くのウソである(体の芯まで暖まるというのもウソ。皮膚表面だけ。中まで伝わるのを待つしかない)。エネルギーは保存する。いくら最新型でも昔の電気ストーブでも変わりはない(コアヒート350Wはカーボンの300Wより暖かく400Wより弱かった)。ただ、遠赤外線が違うのはガラスも透過せず、金属以外の物体内部に熱がちゃんと貯まり、そのため表面から熱が抜けていきにくいという点で暖房効率がいいというだけだ。窓の大きい部屋では差が出るだろう。しかし、それはヒーターそのものの性能差によるものではない。窓の無い部屋なら赤外も遠赤外も同じだ。
カーボンヒーターと遠赤外線の特性を積極的に使っていない昔ながらの電気ストーブを比較したことがあるがほとんど違いはなかった。同じ出力、同じ距離で感じる暖かさや蓄熱は同じだった。速暖できて唸り音のないカーボンが便利な程度。
人間の温度感覚ではまず赤外と遠赤外の差はわからないだろう(差を知る方法を見つけたが、誰でもわかるかというとたぶん難しい)。カーボンヒーターと昔の電気ストーブでは差が無かったが、カーボンとコアヒートでは確かに差があり、遠赤外成分は多いようだが、人間がそれを正しく感知するのはかなり難しいし(100μm以上の長波長なら明確にわかるかもしれない)、それより問題は家への蓄熱に差が出るかどうかだ。それはこれからになる。
ただ、同じことをやる人がいるかも知れないので断っておくと、遠赤外での壁面加熱は赤外より時間がかかる。エネルギーがどんどん内部に入っていく以上、また出力も小さいので壁面の温度は簡単には上がらないからだ。初期は糠に釘状態。なのでチセと同じく少しずつ長時間かけて熱を家の構造体に蓄積していかないといけない。気が短い人はすぐに効果なしと誤った判断をするだろう。
夜中や日差しの入る日中は止めるとしても、低出力では少なくとも1週間、2週間ぐらいはかかるのではないかと昨冬の輻射暖房の経験から推定している。曇りで屋内が暖かくても、日差し分を補うため動かし続けないといけない。そのあたりがなかなか実行されにくいだろう。我が家でも口を酸っぱくして、人間を温めてるんじゃない、家を温めてるんだと何度も言っている。人間の温暖感覚でやると家を快適に温めることはできない。(だから、アイヌ伝統の知恵に敬服する)
装置としてのコアヒートの特徴は、横向きでも照射角度を結構変えられる。しかも、首振りの音が恐ろしく静かで、違う方向を見てたら稼働していることがわからないほど。なお、スイッチを入れても安定するのに2,3分かかる。慣れればどうということはない。揺らぎモードとかのセンサーを使ったエコ制御はチセ方式では却って邪魔で、そういう意味でも簡素でせいぜい800Wぐらいの小型の安いヒーターが好ましい。タイマーもあるが連続運転は6時間までしかできない。勝手に止まる。火事対策と思うがありがたいような困るような。どちらかというと今は不便なことが多い。
自分としては、このヒーターの使いやすさには感心したが、もっと赤熱しないように設計されていたらありがたかった。赤熱しない場合は温度が低いわけで、火事にもなりにくいから安心度も増す。コロナさん、頑張ってもらえませんか?発熱管が大きくなって難しいですか?
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輻射蓄熱を可能にするには壁面材や断熱材の熱容量が大きい(一般には重いもの)のが望ましい。発泡ウレタンとか発泡スチロールなどの超軽量材を使っているところではこのチセ方式は効果を得にくい。壁面材だけで十分な熱容量を確保するのは難しいと思われる。試そうと思う人は家の構造を確認する必要がある。
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誤解無きようもう一度書くが、ガラスを除けば赤外でも遠赤外でも大差はない。赤外ヒーターでも遠赤外を出しているのは上であげたリンク先のグラフの通りだし、赤外が表面だけと言っても、熱はそのうち伝わって蓄熱されていく。違いは壁内部を温めるまでにかかる時間と効率、そしてガラスの加熱の3点である。あとは家の作りや窓の配置などが部屋の快適性を決める。より快適性と効率を求めてコアヒートを購入したわけである。