街並み(Streetscape breakers in Innsbruck) | An Ulterior Weblog

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直前の投稿で街並みに触れたので関連した話を。


欧州を仕事なり観光で回ったことのある人ならわかると思うが、どこの国でも多くの人が昔からの古そうな建物に住んでいることに驚かれると思う。日本のように新しいが薄っぺらい家とは違って重厚感がある。

特に日本の「マンション」のような無機質的な建物は少ないし(たくさん見たければロシアがいい)、あっても雰囲気のある旧市街などからは離れたところに造られるのが普通だ。


オーストリアのインスブルックからイタリア目指してブレンナー峠を越える列車に乗ると、中央駅を出て市街の端に近いところ(今は市域が広がり飲み込まれているが)に古都インスブルックらしくない建物がいくつも見えてくる。それが、日本などではよく見かけるマンションと呼ばれるようなアパート群である。

欧州をめぐると、またどこの町でも旧市街をめぐると、この建物は異様に映る。新しく綺麗は綺麗だが、無機質的過ぎて街並みにそぐわない。


それが、1976年、札幌に次いで開かれた冬のオリンピックの選手村だと気がつくのには時間がかからなかった。五輪からだいぶ経っていて、家賃としては安目で提供されているようだった。つまり、多くの人はこの無機質な建物には好んでは住みたがらないようである。日本ではちょっと考えられないだろう。地方とはいいながら中核都市、日本で言えば政令指定都市に匹敵するインスブルックでこうなのである。


さて、その初見で違和感を覚えた選手村はどうなっているかというと、現在は大改修でパッシブアパートとして再生しているようだ。

http://blog.livedoor.jp/morinokazekobo/archives/23018710.html

パッシブでエネルギーコストはかからないのはいいが、やはりこのあまりに無機質なアパート群の中で暮す気は私は起きない。(チロル地方らしい家は前後の記事にある)

なので、夜景は綺麗かもしれないが、東京とかのタワーマンションにも住みたいと思ったこともない。セキュリティチェックで出入りが厳しく高いエレベーターを通じて隔離された空中空間はまるで感染防止のための特別病室のようだ。それを特権的愉悦とみるかどうかは人によるだろう。いくつも家を持てる人は一つの休憩所としてるかもしれない。あるいは城主が天守閣から城下町を見るように、下々の庶民が住む下界を見下ろすことを喜びとするのかもしれない。


故郷にタワーマンションが建つことはないが、アパートはあり、上のURLのような感じだ。これでは他との差別化なんかできはしない。

旧市街の雰囲気の良さの後にあれを見たときには急激にインスブルックの印象が悪くなってしまった。以後、また行きたいという気が起きたことがない。五輪という特別の状況でできた建物ではあるのだが。。。