おくりびとを見る | An Ulterior Weblog

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Read-only, not set communicative and periodical updating, sorry.

映画の話ではない。現実の話。

納棺師は女性で、白衣を着ていた。まず、お湯と水を用意する。

次に、遺体(年配の女性)の腐敗を遅らせるための大きなレンガのようなドライアイスを掛け布団の下から何個も取り除いていく。遺族が鈴(りん。チーンと鳴る器)を間を長くおいて鳴らし始めると作業が始まる。


遺族側からは遺体が見えないように掛け布団をうまく使いながら、体を先ほど用意したお湯で綺麗に拭いていく。いわゆる湯灌。皮膚が傷んでいるところなどに何がしかの処置をしたりして、そのあと、白装束を広げ、手から入れ替えて、病院から運ばれたままの病衣から着替えさせる。その所作はお見事。魔術のようにいつの間にか掛け布団の下から病衣が抜き取られる。それなりに時間がかかるので遺族は交代しながら鈴を鳴らし続けて故人を送る。


足袋をはかせ、白装束が整うと、表情の整え。口の中に脱脂綿を白い布で隠しながら露骨に見えないようにして入れて顎など形よくうまく収める。次に髪の毛のセット。櫛をよく通し、遺族の希望で直前までの普段に近い髪型にされる。ここで鈴も鳴り止む。その次に、遺族が1人づつ顔を小さな白い布を手渡されて次々と拭き、そして女性の娘が納棺師とともに一緒に死に化粧を施していく。もともと寝ているようにしか見えない顔が化粧によって、まるで本当に息をしているような温かみが加わる。化粧ができあがって、最後に掛け布団が外される。


女性の兄弟たちと残された家族によって敷布ごと持ち上げられ、その遺体は葬儀屋によって運ばれてきていた棺に納められる。火葬後も残る10円玉が多数、足元に入れられ、生前着ていた服などがその胸元に掛けられた。蓋がされ、ここで納棺師の役目は終わり。

棺は親族の手によりワゴン車に納められる。車の後部には納めやすいようにローラーがついていた。リアハッチが閉まり動き出し、お通夜の会場へとどんよりした空の下を移動して行った。


遺体の女性は母である。