日本で一番寒いところはどこなのか?(それは道北) | An Ulterior Weblog

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先月、日本の最低気温 の記録についてまとめて書いた。記録を持っているのは道北の地域ばかりだったが、日本一寒い町として宣伝している道東の陸別町についても触れた。


では、本当に日本一寒い町はどう考えればいいのだろうかと思った人は少なくないだろう。これについて丹念に調べた方がいる。その記事がこちら。


http://okatabi.hill-in-biei.com/archives/36478757.html


これで、平均的にずっと寒いのが道東であり、瞬間記録的に寒いのが道北であるというのがわかる。これ自体に間違いはない。

しかし、これが全てにおいて正しい、とは言えない。


なぜか。気温の記録には陽射しは考慮されていないからだ。北国で育った人はよくわかると思うが、天気がよくて放射冷却が起き、風がないとその冷気が盆地に集まり低温化する。道東は典型的にこの傾向で、日高山脈や大雪山系であらかた雪が落ちてしまう道東は冬あまり曇天にならない。晴天率が高く、そのため、北見工業大学では逸早く太陽光発電の研究がされていたほどである。

-20℃とたしかに冷え込んでも陽射しがあると実はそれほど寒いと感じない。たとえば、夜に晴れて放射冷却で-20℃まで冷え込んだあと、朝から雲が張り、昼間の最高気温が-15℃を越えないなどということがあるととにかく寒い。陽射しがないからである。自分の感覚では、陽射しのある-20℃と等しいのは陽射しのない-10℃以上に思える。10℃ぐらいの温度差を陽射しは解消すると感じられるわけである。


この陽射しによる温度差感は完全に寒い地域の印象を変える。

道北、それも日本海側の天塩地方は曇天が多い。日本海から運ばれる雪が延々と降り続く地域だからだ。道北で生まれ育った人が道東に移り住んでもそれほど寒いとは思わないのではないかと思う。旭川に近く同様に寒い富良野で生まれ育った人が釧路に移り住んで、夏は霧で天気が悪くて寒く暖房も入れるが、冬は天気がよく暖かいと言っていた。山形から仙台に出た人も同じことを言う。

似たような状況はいわゆる裏日本と表日本の間でも起きる。広島は冬陽射しが差すが島根ではよく雪が降る。山形と宮城、新潟と埼玉や東京なども同じ関係である。気温そのものはそれほど低くなくても天気が悪いところは温度以上に寒く感じられる。
晴れれば記録的最低気温、曇ればただただ寒く雪が降り続ける道北。実際に冬の寒さが厳しいというのは道北だろう。


さらに「風」のファクターを入れるとまたまた話は変わる。風があると体感温度は相当に下がる。その場合は風がいつも強い襟裳岬か天塩地方に近い雄冬岬のあたりだろうと思う。あるいは利尻や樹があまりない礼文かもしれない。襟裳岬は一時ひどく砂漠化した(NHKの『プロジェクトX』でも取材された)。あまりに風に温度を奪われて寒く、木の根までストーブで焚けるものは何でも焚いたからである。寒さのために砂漠化したなどという地域はここ以外に聞いたことがない。

北国に生まれて育った私もさすがにこれらの人たちと対等に生活できる自信はない。そして、我々和人が来る前はアイヌの人たちが暮らしていた。生活用品や家の状態は今と比べるべくもない暮らしでよくぞこの寒い大地で民族として続いていたものだと敬服する。