●脳からの指令で分泌される女性ホルモン
女性ホルモンとよばれるのは、卵胞ホルモンと黄体ホルモンの2種類。ひと月の間に一定のリズムをもって卵巣より分泌されています。これらのホルモン分泌をつかさどっているのは大脳で、視床下部―脳下垂体―卵巣というメカニズムが働いています。
1.間脳にある視床下部は、血液中に含まれるホルモンの量をつねにチェックし、必要な時期を見計らって、性腺刺激ホルモン放出ホルモンを分泌します。
2.この指令を受けて、脳下垂体は性腺刺激ホルモンである卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体化ホルモン(LH)を分泌し、卵巣にホルモンを分泌するよう命令します。
3.指令を受けた卵巣は、指示通りに卵胞ホルモンや黄体ホルモンを分泌します。
性腺機能とホルモン
1. 脳下垂体から、性腺刺激ホルモンの卵胞刺激ホルモン(FSH)が分泌されます。
2. 卵胞刺激ホルモン(FSH)が卵巣に届くと、卵巣のなかにある原始卵胞を刺激し、そのうちのひとつが成長を始めます。
3. 発育した卵胞から、卵胞ホルモンが分泌され、これが子宮内膜に働きかけて徐々に内膜を厚くしていきます。
4. 卵胞ホルモンの分泌量がピークに達すると、脳下垂体から黄体化ホルモン(LH)が分泌されます。
5. 黄体化ホルモン(LH)が卵巣に届くと、成熟した卵胞は刺激され、中の卵子が飛び出します。これが排卵です。
6. 排卵後、卵子が出ていった卵胞は黄体というものに変化し、黄体ホルモンを多量に分泌し始めます。このとき、卵胞ホルモンも少量ですが分泌されます。
7. 黄体ホルモンは、子宮内膜に働きかけ、受精卵(→「妊娠・出産」の項で紹介)がいつでも着床できるよう、準備をします。
8. 受精が成立しないと、黄体ホルモンと卵胞ホルモンの量は激減し、子宮内膜もはがれ、経血となってカラダの外に出ていきます。これが生理です。
<生理中は、ココロとカラダにどんな変化がおこるの?>
ホルモン分泌の変化とともに、いろいろな変化があらわれます
月経期
妊娠しなかったときは、黄体ホルモン・卵胞ホルモンともに分泌が減少して、いらなくなった子宮内膜がはがれ落ち、血液といっしょに体外へ排出されます。これが生理です。
女性ホルモンの分泌が最も少ない時期ですが、下腹部痛、腰痛、吐き気、下痢、イライラ、頭痛、貧血、だるさ、むくみ、肌あれなど不快な症状がおきやすい時期でもあります。症状がひどい場合は病気が潜んでいることもありますので病院での受診も必要です。
増殖期(卵胞期)
卵胞刺激ホルモンの働きにより、卵巣にある原始卵胞のひとつが発育し始めます。卵胞が発育するにつれ卵胞ホルモンが分泌され、子宮内膜が少しずつ厚くなっていきます。
卵胞ホルモンの分泌が増え、女性が最も調子のよい時期。肌や髪にツヤがあり、気分もリラックス、思考もポジティブ。ダイエットの効果も出やすいので、チャレンジするならこの時期がいちばんです。
排卵期
卵胞ホルモンの分泌がピークに達すると、黄体化ホルモンが分泌され、卵胞から卵子が飛び出します。これが排卵です。
分泌期(黄体期)
卵子が飛び出したあとの卵胞が黄体という組織に変化して、そこから黄体ホルモンが分泌されます。すると受精卵が着床して妊娠したときの準備のため、子宮内膜がやわらかくなります。
<生理と生理の中間(排卵期)におこりやすい変化>
女性のココロとカラダは、生理のサイクルにあわせて変化があらわれます。生理と生理の中間のころ、つまり排卵日をはさんだ2~3日は排卵期と呼ばれ、もっともおりものの量が多い期間です。
人によってはこの排卵期に、排卵痛という痛みがおこることもあります。原因としては、排卵に向けて大きく成長した卵胞が腹膜を刺激することや、卵巣から卵子が飛び出たときの傷や出血などが考えられます。
ガマンできる程度の痛みであれば心配はいりませんが、個人差が大きく、なかには生理痛と同じくらい痛むという人も…。痛みが強い場合には治療が必要なこともありますから、基礎体温を測って、痛みの時期や状態を記録したうえで、婦人科を受診しましょう。
また排卵の時期には、卵胞ホルモンの量が一時的に低下して、生理のような出血(中間期出血)がおこることもあります。
<生理が始まる前(黄体期)におこりやすい変化>
生理が始まる前というのは、女性ホルモンの影響で、カラダもココロも不安定になる時期です。生理前症候群(PMS)により、乳房が張る、痛む、乳首が敏感になる、頭痛、肩こり、腰痛、下痢、ニキビ、肌あれなどの不快な症状がおこる人も多いでしょう。 そのほかにも、イライラ、憂うつ感、不眠、眠気、過食などの症状がおこりやすくなります。
