どういう人か
または、どういうふうに思われていたか分かったとき
一瞬、ショックだったり傷つくけれど
そのタイミングで
どういう人か分かって良かったんだと思うことがあります
すごく良いとき
とてもそうじゃないとき
様々な『クモ』がやって来ます
すごく良いときにやって来る『クモ』は
とても上手なムズムズするお世辞で
時に気分よくさせてくれます
とてもそうじゃないときに
やってくる『クモ』は
とても親切に心配をしてくれます
私だけは味方 と安心させるような言葉を言ったり
おいしいものを、ごちそうしてくれたり
プレゼントをしてくれたり
家に招待してくれたり
しかし、その後で
めんどうくさいことが起こるときがあります
化粧品や健康食品や投資の話やら会員証やら
すぐに、さよならしたくなる話をたくさんしてくれます
最近よく思い出すお話しです
クモは言います
ボクのお家はとっても素敵で
どんなところより快適だよ
ここへは螺旋階段を登ってくるといいよ
君がきたらいろんなものを 見せてあげる
「いえいえ」 ハエは言いました
「甘い言葉には乗らないわ
あなたのおうちを訪ねた人は 戻ってこないといいますもの」
「心配なのはよくわかるよ 高いところにあるからね
でも僕んちのベッドは快適だよ」
でも僕んちのベッドは快適だよ」
クモはなお言いました
「きれいなカーテンがかけてあって
シーツはしなやかで清潔だよ
ちょっぴり寄ってみたら
「いえいえ」 ハエは言いました
「あなたのところで眠った人は 二度と目覚めることがないと」
しかし
クモはなおも続けました
「親愛なるお嬢さん
君を思う僕の気持ちを ぜひわかってくださいな
僕のうちの食堂には ご馳走がたっぷりあるよ
ぜひ中へ入ってきて おいしいケーキを召し上がれ
」
ぜひ中へ入ってきて おいしいケーキを召し上がれ
「いえいえ」 ハエは言いました
「せっかくですけど遠慮します
あなたの食堂に何があるか、私は見たくもありません
」
やれやれ・・・クモは言いました
「君はなかなかお利口だ
君の羽は軽やかだし君の瞳は輝いている
僕のおうちの食堂には 大きな姿見の鏡があるよ
君がそこへ入っていけば 自分の姿がみられるよ
」
君がそこへ入っていけば 自分の姿がみられるよ
「ありがとう」 ハエは言いました
「ご好意には感謝します
でもこの辺で またいつか会いましょう」
でもこの辺で またいつか会いましょう」
クモは再び玄関に現れ 陽気な声で歌いました
「おいでよハエのお嬢さん
真珠のように美しい羽緑と紫の着物
頭には冠をかぶり瞳の輝きはダイヤのよう
僕とは比較になりません」
ああ たいへん
プライドをくすぐられた
小さなハエは愚かにも
クモが歌うお世辞の言葉にうっとりして
羽をぶんぶん鳴らしながら クモの巣に近づいてきます
目の輝きと緑と紫の自分の着物のことばかり思いながら
頭の冠は素敵かしらなんて
羽をぶんぶん鳴らしながら クモの巣に近づいてきます
目の輝きと緑と紫の自分の着物のことばかり思いながら
頭の冠は素敵かしらなんて
そのタイミングをクモは逃しません
いきなり飛び上がると ハエをしっかり捕まえて
螺旋階段を引きずり上げ 自分のねぐらへ運んでいき
食堂の中へ連れ込みました
螺旋階段を引きずり上げ 自分のねぐらへ運んでいき
食堂の中へ連れ込みました
それきりハエは戻りません・・・
というお話
しかし
この物語、遠い絵本の世界のお話だけとは思えません
クモとハエのこの物語から 教訓を汲み取って
甘い言葉にうっとりして、つい油断したために
甘い言葉にうっとりして、つい油断したために
クモに食べられてしまったハエのお話です
話し方教室[スピーチ
