今週はヴェネト州についてお話したいと思います。
アルプス連峰とアドリア海に挟まれて平野が広がるイタリアで8番目に大きい州です。海に面したヴェネツィア周辺のラグーンを含む平野部が56%以上を占め、14%が丘陵地帯、残りの30%がオーストリア国境近くの山岳部と起伏に富みます。
平野部では稲作が行なわれ、砂糖用のビーツや大豆も広く栽培されています。一方手間のかかる高価な野菜作りも盛んで、一旦畑から収穫してから水耕栽培して美しい赤色に育てるラディッキオ・タルティーヴォや、ホワイトアスパラガスもこの州の特色ある野菜です。食肉用の牛や乳牛を飼う畜産家、畜肉加工品用の養豚、そして養鶏農家も多く、卵生産も盛んです。またアドリア海沿岸のヴェネツィアやキオッジャは大きな魚市場を持ち、貝類、甲殻類をはじめ豊富な魚に恵まれています。
ヴェネト料理は、イタリア料理の全ての要素を兼ね備え、それに洗練が加わったものと言われています。海辺と高原では同じ州でも郷土料理の様相も違いますが、ヴェネト料理を特徴付ける共通項は2つ。1つは、トウモロコシの粉で作るポレンタが頻繁に登場する事です。二つ目は、スパイスを用いたオリエンタルな香りが漂うことです。かつて繁栄を極めたヴェネツィア共和国は、東方交易によるスパイスを商品として流通させるだけではなく、地元の料理にあわせ、妙味を加える工夫をしてきました。
Cuoco Y.Watanabe


