2020年7月24日(金)
10時 大阪難波駅
近畿日本鉄道、略して”近鉄”と示した方が伝わりやすいしょうか。
現在の日本の私鉄では最も長い501.1kmという営業距離を誇り、いわゆる大手私鉄の区分になります。
路線図を眺めていると大阪府、京都府、奈良県、三重県、愛知県と2府3県と非常に広範囲で、
盲腸線も数多くあり全ての路線を乗車しきるのは決して容易なことでないわけです。
これに対して自分がこれまで乗車した距離は0.0キロ。
初乗車区間に関しては普通の種別で乗ることをルールとしているので、かなりの時間とお金がかかることが予想されました。
ただ、近鉄では他社同様にフリーきっぷを発行しているんですが、1日用や2日連続用というのは存在しません。
なんと3日間連続でのみ発行しているんです!
その名は「近鉄週末フリーパス」で"週末"と書いてある通り、土曜日曜の2日間は必ず含めないとなりませんから、
金・土・日か土・日・月でしか効力はないのですが、観光目的はもちろん乗りつぶし目的でも強力な威力を発揮するきっぷなわけです。
ただ、このきっぷは使用開始の前日までに購入をしないとならず、一応、全国の近畿日本ツーリストの窓口でも買えるそうですが、主要駅の券売機で発券した方が感染症対策にもなることから、前日(23日)に大阪難波の自動券売機で購入。
金額は4,200円という破格な安さで、単純計算で1日平均1,400円分の区間を乗車すれば元を取ることができます。
これで24日からの3日間はケーブル線も含めた近鉄全線の各駅に下車可能となり、
追加で特急料金を払えれば全ての特急に乗車可能です。
有名どころだと伊勢方面に向かうしまかぜも
ですが、今回は初乗車区間ばかりなので、種別としては普通電車の乗車ばかりでこの3日間で特急には1回しか乗れてません。笑
ということで前置きはここまでにして乗車を開始しましょう。
大阪難波10時7分→生駒10時47分
近鉄乗りつぶし記念すべき最初の車両は9020系。ボディカラーには灰色と白地に黄色のラインが入っています。
阪神(なんば線)と近鉄(難波線)は大阪難波で線路がつながっていて、相互乗り入れできるようになっています。
近畿圏の鉄道会社は関東圏に比べると相互乗り入れしない傾向にありましたが、阪神と近鉄の乗り入れは2009年に実現されました。
近鉄日本橋、大阪上本町までは地下区間を進みます。
もともと近鉄は大阪上本町が終点だったわけですが、1968年に大阪難波まで延伸。わずか2.0kmをトンネルでつないだわけですけども当時から難波周辺は都市部でしたから工事は深夜のわずかな時間でしか行えず、かなりの難工事だったようです。
大阪上本町で難波線は完乗し奈良線に入ります。(路線区分では奈良線の起点は布施ですが、大阪上本町の大阪線ホームは地上にあり、奈良線とは別の線路なのでここでは奈良線と表記)
鶴橋到着前に地上に上がると大阪線の線路と並走し、同ホームで乗り換えをすることができます。
布施出発直後に大阪線が右にカーブして行くのに対し、奈良線はまっすぐ進んでいきます。
東花園は近鉄花園ラグビー場の最寄り駅。普段は準急と区間準急、今回乗車した普通しか停まりませんが、ラグビーの大きな試合開催時には快速急行や急行が臨時停車する駅になります。
瓢箪山からは上り勾配が始まり、目の前には生駒山を始めとした山々が迫ってきます。
次の石切に着く前に進行方向左側を見ておくと、大阪市内の住宅地やビル群を一望することができます。
全く知らずにいたのでずっと見入ってしまい、ほんの10秒足らずで過ぎ去ってしまったので、撮影することができませんでした…
石切が大阪府(東大阪市)最後の駅で隣の生駒が奈良県最初の駅となるんですが、石切出発直後に生駒山を貫く新生駒トンネルに突入。
新生駒トンネルは1964年から使用開始され、それまでは旧生駒トンネルが1914年から使われていて、当時は近鉄の前身である大阪電気軌道の時代でした。
戦後以降、奈良線沿線の人口が増えたので大型車両を製造して通したいわけですが、旧生駒トンネルのトンネル幅だと通せないことからすぐ南側に大型車両が通行可能なトンネルを作ることになりました。
新生駒トンネルができたことで石切の駅設備自体が移転され、もう56年も前なのでほとんど旧駅の面影はないわけですが、当時の駅跡に行くとまだ駅のホームや階段の一部が残されているとのことです。
ただ、今回はそんな暇はありませんから先を急ぎます。
新生駒トンネルを出るとすぐに生駒に到着。ここで下車します。
生駒は奈良線の他に生駒線、けいはんな線、改札を出て3分ほど歩いたところにある生駒鋼索線(生駒ケーブル)とバラエティに富んだ駅となっており、色々と悩んだ末にトンネルつながりであの路線を次に乗ることに決めました。