今日はひょんなことから仕事をお休み。
来月に備えた温存day。
家の近所を、だんだんと好きになってきた。
このへんの土地の匂いが、少しずつ分かってきた。
午前中出掛けて、帰り道おなかが空いたので、うちの目の前にあるパスタ屋に入った。
そこは数ヶ月前にひっそりとオープンしていた。
せっせと準備している段階から
わたしはいつも帰り道に 横目でチラリと見ては通りすぎていた。
そしていつも客が入っていないの。
通りすぎると、お店の人と目が合ってしまうくらいの静けさ。
その小さなお店がたまに団体で賑わっていたり
すると、ちょっと安心したり。
そこに、ついに入ってみた。無性に、茸入りのクリームパスタが食べたくて、
家で作るのもなんだか気が進まなくて、
なんと言っても、近すぎるほど家の目の前だし 一回くらいは入ってみようと思って。
すると茸のクリームパスタがちょうどあったので、注文してみたら意外にも
おいしくて、ちょっとびっくりした。丁寧に作りこまれた感じが、すべて違和感なくて
感心した。
すごく贅沢だなぁと思ったのが
客が自分ひとりだったことです。
これまでは そういうシチュエーションは 何だか 心寂しいし
プレッシャーを感じる気がして 避けたい展開だと思ってたけど
とてもよかった。
すごく静かで 落ち着く音楽が あたたかく流れていて
注文すると
厨房から 何かを切り始める音や
しゅんしゅんと 何かをじっくりあたため始めた音が聞こえてきて
まさに 自分のために 準備に取り掛かってくれる動きを感じる。
わたしが食べ始めると 役目を終えたフライパンたちが洗われ、
食べ終わりそうになると プカプカと コーヒーが落ちる香りと音が聞こえてくる。
それを飲み始めるころには、お皿は洗われ お店の人が外を眺めながら 拭き始める。
誰にも干渉されない 静かな時間のなかで
扉のガラスの外でしとしと降っている雨が心地よかった。
そうすると くるくると色々なことをゆっくり考えられる。
わたしは最近 色んな意味で、オープンになってる気がしてる。
まわりに対して。前なんか、会社の人に自分のプライベートを話すのなんて
絶対に嫌だったし、
そもそも、会社が社員の人生をすべて丸めこんでる感じや
家族的な一体感とかに すごく違和感を感じていたし そういうところでは働きたくない
と思っていたし、選ばなかった。
ただ、ちょっと気付いてしまった。
いまのこのオープンさは、現会社にいることで いつの間にかまといはじめたということに。
会社の人たちは皆あたたかい。
自分の足でジャンプしようとすると、トランポリンの骨組みの建て方を
教えてくれようとしたり 気にかけてくれたり 知らない間に遠くからでも観察してくれていたり。
きっと、なかには色んな会社があるはずなんだ。みんながみんな多忙過ぎていつもひんやりとした
空気が流れている職場だったり、ピリピリとして会話も少ない職場だったり。
たとえ仕事内容が充実していたとしても、もともとドライで自分を固くしてしまう側面のある自分は
これまでの人生よりもさらにドライに磨きがかかり、人に対して
解放しきらない感じをよしとしていた可能性もある。
そういう意味では、自分の中で薄まって消えかけていた輪郭部分に
必要な栄養素を塗り込んで、それを育む境地を与えてもらえた、という気がする。
なので その芽を生やせただけでも、今の会社に入ったことは わたしの人生のなかでそれなりに意味のあることだったかもしれない。なんて初めて俯瞰してみてみれた。