こんにちは、シマシマですウインク!!




今回は、前回に引き続き、テレビドラマ

青のSP—学校内警察・嶋田隆平—』について、

教育的観点からお話しさせてくださいね!




前編では、「子どもを取り巻く問題」

についてお届けしました!




後編の今回は、ドラマで取り上げられていた

「先生を取り巻く問題」

について考えていきたいと思います。





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  学校で起こっている本当のこと  【先生編】


        ➖目次➖

①長時間労働

②大人のいじめ

③ハラスメント


④個人情報の漏洩・紛失

モンスターペアレント




①長時間労働


日本の教師の長時間労働問題は深刻です。



OECD調査でも、日本の教員の勤務時間は

世界一長いという結果が出ています。



心理カウンセラーの

諸富 祥彦さんの記事から抜粋した、

学校の先生が担っている仕事の量をご覧ください。



● 教科を教えること、授業準備

● ○○教育への対応:小学校の英語教育、 プログラミング教育、ICT(情報通信技術)教育、ユニバーサル教育、防犯・防災教育など

● 道徳の教科化

● 主体的で対話的な授業の推進

● 発達の問題を抱えた子どもへの個別支援教育

● 不登校の子どもたち1人ひとりへの丁寧なケア

● いじめ問題への丁寧な対応(一方的に叱責し威嚇する指導ではなく、1人ひとりの心に寄り添ったカウンセリング的な対応)

● 給食時に食物アレルギーをもつ児童への対応

● 校内清掃の指導

● 運動会・文化祭などの運営・準備・保護者対応 
● 登校・下校時の見守り

● 放課後のクラブや部活指導

● 保護者・地域からの要望・苦情などへの対応

● 国や教育委員会からの調査やアンケートへの対応

● AED(自動体外式除細動器)講習を受けて使いこなす

● 学校の防犯(不審者・学校侵入への対応)、防災

● 新型コロナウイルス感染症対策による校内の消毒

● 幾度にもわたる行事の計画の練り直し    
 など

ー東洋経済オンライン
「世界一忙しい日本の教師」を救う親の"神対応" よりー


こんなにもたくさん、

膨大な量の仕事を抱えている日本の教師。



この中で、本当に子ども達のために

必要な仕事はどれだけあるのでしょうか?



ドラマの中では、

「忙しいのに残業代は定額で、

 休日は部活で休みはない」

「この国の教師の半数以上が働きすぎ」


という言葉も出てきました。


教師全員が、校長を相手に
業務量の軽減を求めるシーンもありました。


先生達のためにも、子ども達のためにも
今後、教員の過酷な労働状況の
見直しが必要だと思います。





②大人のいじめ


虐待の加害者が、「子どものしつけ」という

言葉を用いることがありますよね。



「どこまでが『しつけ』で、

 どこからが『虐待』か?」



しつけと虐待の境界線と同様に、

理解しておかなければいけなのが、こちら。



「どこまでが『教育的指導』で、

 どこからが『いじめ』か?」



教育的指導といじめ、

2つの境界線がわかりづらいですよね。



職場での大人のいじめは、

パワーハラスメントの要素を含むことが多いです。



厚生労働省が示している

「パワーハラスメントの概念」です。



「パワーハラスメントの概念」

①優越的な関係に基づいて(優位性を背景に)

 行われること 

②業務の適正な範囲を超えて行われること 

③身体的若しくは精神的な苦痛を与えること、

 又は就業環境を害すること



この概念に当てはまる場合は、

パワーハラスメント(パワハラ )になりますが、

大人社会での『いじめ』や『パワハラ』は

実際に起こっていて、

ニュースでもよく報じられています。



そのような世の中で、

子どもの間でいじめがなくならないのは

当然のような気がします。



だからこそ、

いじめが起こらないような予防や対策を

考えていくことが、とても重要なのですね。




③ハラスメント


大人のいじめとも関連した内容になりますが、

「ハラスメント」とは、

嫌がらせやいじめのことです。



パワハラ・セクハラ・マタハラ」の3つは、

ハラスメントとして、

特に多い問題とされています。



まずは、ドラマで取り上げられていた、

女性に対するマタニティハラスメントについて

考えていきたいと思います。



厚生労働省によると、

マタニティハラスメント(マタハラ)とは、

妊娠・出産、育児休業等を理由として、

 解雇、不利益な異動、減給、降格など 

 不利益な取扱いを行うこと」

とされています。



働いている女性にとって、

マタハラは大きな問題です。

妊娠を機に解雇された、という話も聞きます。

中には、他の同僚に気をつかって、妊娠する時期や

順番まで気にする人もいるそうです。

マタハラを受けている同僚を見て、

妊娠することを躊躇うようになる教員もいます。



学校では、教員間だけではなく、

保護者や子どもからの心ない言葉による

マタハラもあります。



言葉は、口から出てしまった後には

取り消すことができません。

その人にとっては何気ない言動でも、

言われた方は、気に病んでしまうこともあります。



安心して妊娠・出産・子育てができるように、

周囲が温かく見守ったり支援するような

職場や学校の雰囲気や環境づくりが求められます。




クローバークローバークローバー




また、「子どもを取り巻く問題」の内容に

近くなってしまいますが、ハラスメントの一つ、

セクシャルハラスメント(セクハラ)について、

少し触れておきたいと思います。



セクハラの多くは、教員が加害者となり、

児童・生徒が被害者となっています。



文部科学省は対策の一つとして、

加害者が、教員免許失効後に、

再取得できるまでの期間を

3年から無期限に変更することで

学校現場に戻れないようにする

関連法の改正を検討していました。



ところが、最近ニュースにもなっていましたが、

憲法の「職業選択の自由」などとの兼ね合いで

法改正を断念することになったのです。



今後は、性犯罪から子ども達を守るため、

どうやって未然に防げば良いのか、

しっかり考えていかなければなりません。





⑤個人情報の漏洩・紛失


学校での個人情報の漏洩や紛失の事故は、

毎年100件以上も起こっています。



中でも、個人情報が含まれる書類やUSBメモリ、

パソコンの紛失が最も多くなっています。

(他の原因は、誤配布や不正アクセス、盗難など)



民間の企業でもそうですが、

個人情報流出の場合は、大きな問題とされ、

必ずニュースで報道されます。



それだけ、個人情報の取り扱いについては、

慎重にならなければいけない

時代になってしまいました。



個人情報の漏洩は、

教員が意図的に行った場合ではなくても、

罪に問われてしまいます。



だからこそ、紛失の原因の一つにもなる

仕事の持ち帰りに焦点を当てると、

ただでさえ多忙な教員が、

授業以外の事務作業などに追われて

残業しても終わらず、持ち帰らなければいけない

という状況を変えていかなければいけません。




今、教員の事務作業の負担を軽減するために

ITCを活用している学校も増えています。

ICTの導入によって、効率化が図れるのならば

これを使わない手はありません!





⑥モンスターペアレント


「モンスターペアレント」とは、

担任や学校に対する不当な要求をする親

のことを言いますが、日本だけではなく、

海外でもモンスターペアレントは存在しています。



そこで、学校にとって強い味方となるのが

スクールロイヤー制度です。



スクールロイヤーとは、

学校で起こるいじめや保護者とのトラブルなどを

法的に解決する弁護士のことです。



アメリカでは、学校に弁護士がいるのは一般的で、

保護者が、教師に理不尽な要求したり、

何かあると訴訟を起こす場合があれば、

スクールロイヤーが対応し解決します。



日本でも、文部科学省により

スクールロイヤー制度ができ、

すでに導入している自治体があります。



学校に弁護士がいるのは、

モンスターペアレントの問題だけではなく、

様々な問題に対して法的な対応ができるため、



学校の現場に近い学校内弁護士、

スクールロイヤーは、これからの時代、

ますます求められていくのではないでしょうか。





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最終話では、



「生徒達がのびのびと学べる場所であり、

 教師が叱るときは叱り、守るときは守る、

 それが本来の学校」


「スクールポリスが必要のない

 学校をつくっていきたい」



という言葉がありましたが、



このドラマで一番伝えたかったメッセージは、

このことなのだと思いました。



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時代が変わるとともに、

子ども達を取り巻く環境は変化します。



それに伴い、子ども達の学び舎である学校でも



以前から問題とされていたことが複雑化したり、

新たな問題が生じたりしています。



そのような時代であっても、

子ども達・先生達が安心して過ごせるような

社会をみんなで創っていきたいですね!!



今日も素敵な一日をお過ごし下さい!

シマシマでした照れ乙女のトキメキ





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