民法第一問 | 司法試験 起死回生への道  

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賃貸人たる地位の移転と引渡の要否、債務者対抗要件
落とし

民法第一問

一 小問1について
 1(一) 本小問におけるAB間の売買契約はBの債務不履行により解除
     されているため、遡及的に無効となる(直接効果説・620条)。
     とすれば、Cは無権利者から借りたことになり所有権者Aには本
     件機械の賃借権(601条)を対抗できないとも思われる。もっ
     とも、かかる結論は有効に賃借権を取得したと信じたCを不当に
     害することになり妥当でない。そこで、Cは545条1項但書の
     「第三者」として保護されないか。「第三者」として保護されるた
     めの要件が問題となる。
  (二) そもそも545条1項但書の趣旨は、解除の遡及効ゆえに害さ
     れる第三者を保護する点にある。そこで、「第三者」とは解除によ
     り消滅するはずの契約の目的物につき解除前に新たに権利を取得
     した者をいうと考える。そして債務不履行があったとしても必ず
     しも契約が解除されるとは限らないのであるから、「第三者」とし
     て保護されるためには債務不履行の事実について主観は問わない
     と考える。そして、解除者者と「第三者」は前主・後主の関係に
     立つから対抗関係には立たず、対抗要件は不要である。もっとも、
     債務不履行について何ら帰責性のない解除権者の犠牲において第
     三者を保護することとのバランスから、権利保護要件を要求すべ
     きと考える。
  (三) 本問では、CはBから本件機械の引渡をうけているため、権利
     保護要件を備えたといえる。したがって、Cは545条1項但書
     の「第三者」として保護され、CはAに対して本件機械の賃借権
     を対抗できる
 2(一) では、賃借権をCが対抗できるとして、BC間の賃貸借契約
     (601条)はどうなるか。
  (二) まず、BC間の賃貸借契約は、AC間に引き継がれると考える。
     なぜなら、Cが対抗力を備えている以上せめて賃貸人たる地位を
     主張したいと考えるのが当事者の合理的意思にかなうからである。
      したがって、BC間の本件機械の賃貸借契約はAC間に引き継
     がれる。
  (三) もっとも、賃貸人の地位の移転は免責的債務引受の側面を有す
     ることから、賃借人Cの同意を要するのではないか
      この点、たしかに賃貸人たる地位の移転は免責的債務引受の側
     面を有する。しかし、賃貸人の貸す債務は目的物所有者ならば誰
     にでもできる非個性的債務であるから、特段の事由なきかぎり賃
     借人の同意は不要と考える。
      本小問では特段の事由はなく、賃借人Cの同意は不要である。
  (四) 以上より、BC間の本件機械の賃貸借契約はBC間に引き継が
     れ、AはCに対し、賃貸人たる地位に基づき月額の賃料100万
     円を1年間支払うよう請求できる。

二 小問2について
 1 AC間の法律関係について
  (一) 本小問においても、前述のようにCは545条1項但書の「第
     三者」として保護されるから、CはAに対して本件機械の賃借権
     を対抗できる。そして、BC間の賃貸借契約(601条)がAC
     間に引き継がれる点も同様である。
  (二) そして、AはCに対し賃貸人たる地位に基づき賃料を請求でき
     るかが問題となるも、これはできないと考える。なぜなら、後述
     のように賃料債権はBによりDに対して譲渡され、Cは確定日付
     ある証書によりその旨通知を受けているため、Dも545条1項
     但書の「第三者」として保護されているからである。

 2 CD間の法律関係について
  (一) DはBより契約当初から1年分の賃料債権の譲渡を受けている
     ため、これに基づいて自己に本件機械の賃料を払うよう請求でき
     るか。将来発生する債権の譲渡の有効性が問題となる。
  (二) 思うに、将来発生する債権であって、範囲・目的・時期を定め
     てなせば有効に譲渡しうると考える。そして、将来発生するか否
     か不確実な部分については、債権の譲受人はあらかじめ覚悟する
     ことができるのであるから、これを無効にする必要はないと考え
     る。
  (三) 本小問では、Dは本件機械の賃料の賃料債権の1年分の譲渡を
     受けているため、範囲・目的・時期も定められておりこれを有効
     に取得している。
      そして、前述のように確定日付ある証書によりBが通知してい
     ることから、Dは545条1項但書の「第三者」として保護され
     る。
      以上より、DはCに対し、自己に本件機械の1年分の賃料、合
     計1200万円を自己に払うよう請求できる。
                        以上

                           再現率80%