先の例えで、有料コンサルはNHKのようなもので

有料だが、スポンサーに左右されることはない

と書きましたが、それはあくまで理想的なケースの場合です。

実際には、有料コンサルはドクターからのフィーだけではなく、例えば開業する物件から

不動産的な手数料を貰ったり、調剤薬局があれば、薬局から医院誘致の謝礼を貰ったりしています。

また、機器や内装など、そのコンサルから紹介を受ければ、そうした業者からも謝礼を貰っていることもあります。

本来そういうことは無いほうが健全なのはもちろんですが、

このことを悪とするかどうかによって判断は分かれるでしょう。あえて書けば、程度の問題です。


一方で、有料コンサルの現実もあります。

先生から頂くコンサル料だけではハッキリ言って成り立たないのです。

コンサル料はだいたいいまどの位でしょうか?安いところで100万?高くて300万?

まあ、間を取って200万としましょう。そしてその多くが成功報酬制だと思います。

さて先生から開業の相談を受けて、場所探しから始まり、実際に開業するまで、平均して約1年位でしょうか

すると200万÷12ヶ月= 月約17万


このコストで、大の男1人を自分の手足のように使える、というのは、果たして高いといえるでしょうか?

しかもその期間の活動費(交通費や通信費、打合せ時の飲食費など)は全てコンサル負担です。

これ位ならコンビニのお姉ちゃんだってバイトで稼ぐ金額です。

しかも成功報酬であれば、さんざん付き合っても先生が開業しなければ”0”円です。


一見して高いと思われがちな有料コンサルですが、こうして考えれば実はそうでもなく

先生からの不確かな成功報酬だけでは現実的にやっていけない、という事情も実はあります。

先生が、他からの報酬を受けない真の代理人としてのコンサルを使おうと思えば、実は100万200万の

しかも成功報酬で済む話にはそもそもならないのです。

しかしあまり高額なコンサルだとそもそも依頼するのを躊躇してしまうでしょう。

なので、現在の有料コンサルのほとんどは、そうした事情を抱えながら、本来あるべき形を保とうと

コスト的には他で補完(物件側から頂戴するなど)しながら、ある意味妥協をしているわけです。

なので、冒頭で他から報酬や謝礼を貰っているのは、程度の問題、と書いたのはそういう理由からです。

ではどの程度なら許容範囲で、どこからはちょっと問題があるでしょうか?

この辺の線引きはドクターには見えにくい部分なので難しいですが、一番分かりやすい判断基準は

有料コンサルのクセに、やたらと周辺業者の押し付けをしてくるかどうか、ですね。

こうした業者選びにしばりがあるのは、先生から費用を貰う立場としては誠実性に欠けますね。

あくまで、業者は先生に自由に選んで貰って、一緒に見積もりを比較したり、交渉をしてくれる

こういうスタンスならOKだと思います。

そういう場合、先生が選んだ様な業者さんでも、今後の付き合いや新たな紹介を期待して

自ら望んでコンサルに謝礼を払う場合もありますが、

それはこの業界に限らず、社会一般全てにある商慣習といって良いものだと思いますし

そのことが先生の高い買い物に繋がっているなら話は別ですが、概してそういうことはありません。

業者としてもそういう費用は、もともと広告宣伝費的なものとして見込んでいるので

それがあるから高い買い物になる、無いから安い買い物になる、という単純な話にはならないのです。

(但し程度の問題はあります)


またコンサルから紹介を受ける場合でも、

最初にきちんと、先生に知り合いの業者や、特に指定がない場合で、紹介を希望する場合のみ、紹介します

と言うようなコンサルなら、有料コンサルの中でも

比較的誠実で信頼をしていいコンサルといえるでしょうし、

もし謝礼を受け取っていたとしても、そういうコンサルなら

あくまで商慣習上の適正な範囲でしょうから、先生にしわ寄せがくるような心配はまずないといえます。




コンサルを大別すると『有料』と『無料』にわけられますが

果たして『無料』は本当に無料か? 答えはYESともいえる部分もありますが、まあNOですね

気分は無料、実際は有料、という感じでしょうか

テレビ局に例えれば『有料』=NHK、『無料』=民放 ということですね

NHKは分かりやすいですね、視聴者から料金を貰うかわりに、原則としてスポンサーに左右されない。

民放は視聴は無料ですが、内容はスポンサーに大いに左右される

そして、本当に無料かといえば、実際にはそのスポンサーのCMに少なからず左右されて

商品やサービスを購入している。 その購入価の中には当然広告費は折り込まれている訳ですから

広義の有料です。 ただ無料と錯覚しているだけですね。


こう書くと、前者『有料コンサル』は一見損なようで実は正しい選択

後者『無料コンサル』はお得な様で実は、有料で内容も偏っているから誤った選択

と受け止められがちですが、

しかし、実際の『NHK』が不祥事を多発するのと同じで、『有料コンサル』もそうそう理想どおりということはありません

『無料コンサル』も、常にスポンサー色の強いコンサルで、見えないコスト負担を強いられるばかり、でもありません。


じゃあ、どうすればいいんだ、という声が聞こえそうですが

つまりこういうことです。コンサルが『有料』か『無料』の判断、実はあまり意味がない、ということなのです。


先に書いたとおり、『有料』・『無料』にはそれぞれの特徴というか、傾向、質の違いがあります。

そうしたことを把握した上で、自分にはどちらが必要か?を確認し

確認したら、あとはそのニーズに合う方のコンサルに、最低2人には会って実際に話を聞いてみる

これしかありません。


いつも持ち出して恐縮ですが、患者が医者を選ぶのに、診察も受けずに、顔も見ずに

果たしてどうやって良い医者か悪い医者か、いえ

自分に合う医者か、合わない医者か、を判断できるというのでしょうか

つまり、簡単なことですが、これが一番間違いのない選択方法なのです



さて、コンサルに何を求めるかをハッキリさせることが先決と書きましたが

そもそも開業コンサルにどんなタイプがあるか、が分からなければ、自分のニーズが何か?を考えるにも

考えにくいと思いますので、ここではその開業コンサルのタイプについて書きたいと思います。

まず、一番分かりやすく大きな違いは『有料』『無料』かの違いでしょう




『有料』のコンサルは、一般に独立系と称されることが多いようですが

つまり、それ以外に業を行っていない、コンサルそのものを生業としているコンサルです。

従って当然コンサルそのものでお金を頂く以外に生きる道がありません。

そして、もちろん場所探しから開院までを通して
いわゆるフルコンサルをするというスタイルが一般的だと思います。

フルコンサルに依頼するというのは、分かりやすいイメージでいえば便利屋さんを雇うようなものです。

なので、先生が開業準備中の相談相手は基本的にこの便利屋さん一人という形になるので

何かと楽だと思います。

しかし、この便利屋さんにも注意が必要なのですが、これはまた次回



さてもう一方の
『無料』のコンサルは(色々ありますが)、とどのつまり本業は他にあるということです

知られたところでは。。。

・薬の卸業者
・医療機器業者
・リース会社
・税理士や会計士
・建築、内装工事業者  等などでしょうか

簡単に言えば、無料でコンサルしますから後の商売はよろしく、ということです。

これら無料のコンサルは、一般的には、本業の分野では非常に熱心で知識も多く頼りになりますが
熱心すぎるが故(=自社商品を買って欲しいが故)に、客観性にかける提案を受ける可能性もあります
また
ひとたび本業から離れた分野となると
歯切れの悪い答えに終始したり、急に熱心でなくなったり、他分野の業者を紹介されるだけだったりして

いわゆるフルコンサルを求める先生には物足りないケースが多いと思います。


ただ、ここでどちらが良い悪いということを書いているのではありません


繰り返しですが、先生がどちらを求めるか?ということですから

フルコンサルが不要なら、こうした『本業を他に持つ』無料コンサルを上手に使えば良いと思います。


またまた患者の医者選びに例えますが

フルコンサルというのは、先程は便利屋さんと表現しましたが、この患者の医者選びで言えば

かかりつけ医というか家庭医というかジェネラルDrみたいなもので

取敢えず何でも相談できて、窓口が一本化できるから楽チンだし、自分を全体的に分かってくれている。

必要や求めがあれば、より専門性の高い科の紹介も受けられる、そんなイメージでしょうか。


そして、後者の無料コンサルというのは

内科が必要なときには内科に行き、眼科が必要になれば眼科に行き、といった具合に

ある程度自分自身に判断できるスキルと、労力手間が求められるといった感じでしょうか

まあ、科目(業者)の紹介位は受けられますが

要は相談する窓口が相談の数だけあるので、全体を通してみて分かってくれる人が自分以外にはいない

隙間隙間は自分で埋めなくてはいけない、というのが少々面倒(でもその代わり無料)ということでしょうか


(でも、この無料は本当に無料なのでしょうか?・・・これもまた次回)



さて、先生が開業コンサルに求めるのは一体どちらでしょうか


次回は、それぞれのタイプのコンサルの注意点などを書きたいと思います