「オーディオのスピーカーの位置と試聴位置はどう決めていますか?」
来客の方から、そんなご質問を頂きました。
だいぶ前に、簡単に書いた記憶がありますが、フォステクスから教わったことを含めて、改めて記載しておきます。
①スピーカーの後ろが丸いスピーカーの場合
スピーカーは、図の様な配置にして、うちぶりにする必要があるそうです。
黄色線が音波が出る範囲を表しています。
後ろが丸いスピーカーは、後ろに音波が回りにくいので、つまり後ろからの反射音が人に届きにくくなるそうで、うちぶりにすることで解消するんだとか。
確かにそうですね。
僕は20年くらいの間、有限要素解析の経験があり、流体解析もやってきましたので、回り込みの様子は経験から想像できます。
壁は同じ材質で囲まれている場合になります。
人が試聴する位置は、おおよそ正三角形の位置になります。
②スピーカーが真四角の場合
上のように、スピーカーは平行に置くことで、音波が回りこんで来るそうです。
うちぶりにしてしまうと、人はかなり前に出て聴かないといけなくなりますね。
③一方で、僕の2F部屋の場合
オレンジ色の部分は、障子になります。
障子の様な紙質のものは音を吸収しやすいですから、この部屋の場合は、人が右寄りに移動しないで真ん中にいると、左のスピーカーの音が支配してしまうことになります。
だから、人は右寄りに座るべきで、そうすることで左右の音(反射含む)を均等に聴くことができます。
真ん中で聴きたい場合は、右のスピーカーを少しうちぶりにするしかありません。
それもいやなら、反射板の材質や特性がわかったものを用意して部屋を左右均等になるようにするしかありませんね。
なので、レーザーで距離を測定して、試聴位置を求められるものではありませんね。
人の聴感で適切な位置を決めるのです。
人間だって、一人一人、左右の聴力に偏りがあります。
その人が、心地よい、バランスが良い、と感じる位置で聴くには、耳で確かめるしかありません。
モノを動かすのか、それとも人が動くのか、どちらかになりますね。
あくまでも、聴くのは音ではなく音楽なので。