今回、若い人たちがたくさん来場し、当然ながら質問をされたのが、インシュレーターと仮想アースって何? という基本的なことです。



インシュレーター)

→ 機器の振動を減衰させるもの。


それはわかっていましたが、何のために減衰させる必要があるのか?


中には振動したままにする金属インシュレーターや、スパイク形状にしたものや、揺れるようにしたものまであるから。


実際、そういうものまでインシュレーターとくくってしまう業界に問題がある。


振動を減衰しないものはインシュレーターではないのですから。


話を戻しますと、トランスを主とした強い振動が内部の回路を揺らすことで、音楽信号の周波数に変異影響を与えてしまいます。


これは、オーディオメーカーさんではわからないでしょうが、ブレーキ摩擦材メーカーでは変位センサーやモーダル解析装置や高性能FFT解析装置やFEM解析ソフトを使って、微弱な伝達を可視化することを日常的にやって開発解析をしています。(北米のSAE技術発表会で毎年、新しい解析結果を報告しています。)


そのため、トランスなどの強い振動を減衰させて振幅を小さくさせ、音を本来再生すべきものに保つ役割がインシュレーターになります。


ですから、素材として減衰させる力を持つ材料は粘弾性のある有機物しかありませんから、インシュレーターとは、木やプラスチックやゴムやKaNaDeしかあり得ません。




仮想アース)

→ 地面に接地していない、独立した仮想地面。


ちょっとわかりにくいですが、アースは本来、雷が落ちたときにオーディオ機器から速やかに地面に電気を流すものだと思ってます。


ですから、電位状態の差を起こすものがアースの機能だと思います。


一方でマニアの皆さんが考えている、音質を良くするものがアースである、というのは二時的に起こっている現象であり、その原因は①無機物で構成され圧力が高い地面に水分が含まれているため、微弱なコンデンサーとして働き、音質が変化する、②接続するケーブル導体の純度と被覆材の静電容量の違いで音質が変化する、ものと僕は考察しています。


つまり、マニアの皆さんが仮想アースに期待しているのは本来のアースの機能であるシャシ電位ではなく、音を良くするアイテム?なので、あれは効くけどそれは効かない、なんてことがあるのです。


メーカーさんもどれだけ理解してるのか、知りません。



先報のように、仮想アースには、

①コンデンサー型


②接地面積拡大型


の2通りがあります。


①はKonadeのように圧力と水とイオン吸収体によるもの、金属と有機物を使った従来のコンデンサーがあります。


②金属板や金属粉体を使ったものがあります。



それ以外のもので小石を使って水も圧力もなかったり、導電性の悪い金属を使っているものは、仮想アースとしての機能は乏しく、ケーブルの特性だけで音質を変えているのだと考えられます。



2日間、ご来場、ご試聴ありがとうございました。