僕が日本音響学会に所属し、インシュレーターの論文を書いていたころのこと。
現社に入れてもらってすぐのころ、インシュレーターの歴史について、国会図書館に行ったり、群馬大学の図書館に行ったりと、調査をしていました。
木の箱の足から、風呂の栓に使うゴム足から始まり、金属フットにとって変わって行きます。
元々は、放熱性を考慮して機器の下を開け、床を傷付けずに止めるのが目的でした。
というか、今もそれを疑わないメーカーも多いでしょう。
オーディオメーカーから、インシュレーターの論文は未だ1つも出ていないので。
金属足の利点の1つは、5〜10mmの厚みにすると、固有振動数が10kHzを上回ってくれるため、シンバルのような聴こえる音で高周波の音を引き立てる以外には影響しづらいことがあります。
ただ、若者のように耳が良い人にとってはキンキンします。
で、今日の本題は金属の値段について。
モノタロウの値段をベースにお話します。
インシュレーターによく使われる材料に真鍮があります。
余談になりますが、銅が70w%、亜鉛が30w%の配合の銅合金を真鍮と呼びます。
配合には、90対10や、80対20や、60対40などが流通していますが、メインの70対30と区別するために真鍮とは言わず、それらは黄銅と呼んでいます。
だから、僕らの業界では真鍮と言うと、70対30を指します。
さて、インシュレーターの元となる真鍮棒は、
φ20×100mm=1,760円
φ30×100mm=3,860円(2倍)
φ40×100mm=6,830円(4倍)
φ50×100mm=10,500円(6倍)
です。
太くなるといかに高くなるかがわかります。
体積で高くなるというより、太いと均一に作るのが難しくなるからです。
で、インシュレーターの厚みは5mmとしましょう。
1個あたりの原価は、
φ20=88円
φ30=193円
φ40=342円
φ50=525円
となります。
応用例ですと、下記のインシュレーターの材料原価は、
φ20の8個入りは、704円
φ30の6個入りは、1,158円
φ50の4個入りは、2,100円
になります。
でも、皆さん、4個入りより6個や8個入っている方が得?と印象操作されていませんか?
大事なことは、面積が大きい方が効果が高いのです。
なので、φ20よりφ50の方がいい。
あと、実際には我々製造業者は原料卸から直買しますので、モノタロウよりもかなり安く手に入ります。
余談になりますが、僕の場合は国内海外から8-10種の粉末原材料を買い、配合し、混合し、計量し、熱プレスしたものが、上の2,100円と比較されても価格が違いすぎます。
そんなに安いならば、とっくに中国が真似しているでしょう。
身を切って、真似しても利益にならない店頭価格にすることが、粗悪なコピー品を撲滅する方法なので。
モノを買うときは、材料原価を知り、お得な買い物をしたいところです。
