いやあ、元旦から地震で避難とは神様も酷いことを。



転倒、停電、火事となっている模様で、大変なことに。



群馬でもかなりの横揺れがありました。



こんなときに何ですが、先日、スピーカーにインシュレーターを敷くと地震で倒れやすくならないか?とお客様からご質問を受けまして、



過去から何度か同じご質問を受けまして、



感覚的には震度5以上で横揺れを受けたら、敷いていてもいなくても倒れるでしょうとお答えしてます。



今日は、せっかくですから、高校物理と摩擦材の経験を思い出しながら、解説してみたいと思います。




導かれた式 μ>L/H になったときに転倒します。(Lは横幅と奥行の短い方になります)



μ静摩擦係数の最大値は1でしたね。



最低は0です。



つまり、静摩擦係数が低い方(滑りやすいほう)が倒れにくいわけです。



ただ、滑ると壁にぶつかりますけどね。



物理的に倒れにくくするには、滑りやすくすれはば良いわけです。



だから、柔らかいジェルやゴム(静摩擦係数は0.8程度)を敷いて滑りにくくするのは、逆に倒れやすくしてることになります。




このスピーカーの場合はどうでしょう?



L=16cm

H=26cm

ですから、L/H≒0.62 です。①


これに、KaNaDe02bfを3枚重ねてますと、

H=26+1.3+1.3+1.3=29.9cm になりますので、

L/H≒0.54 になりますが、床とKaNaDeとの摩擦係数も考慮に入りますので、実は仮想した静摩擦係数より低くなります、②



ここで、静摩擦係数がいくつなのか?が倒れやすさに関係してきます。



スピーカーの塗料の静摩擦係数は恐らく0.6くらいだと思います。



一方で、KaNaDeの静摩擦係数も同程度です。



つまり、

①は、0.6≒0.62 と予想されるので、転倒することはあり得ます。



②は、実はKaNaDeと床との摩擦係数も考慮しなくてはいけませんが、θが相対的に1/2となりますから、こちらの方が滑る距離は増えたとしても倒れにくくなります。




こちらはどうでしょう?



L=23cm(下の足板の幅)

H=100cm


L/H=0.23 になります。



KaNaDeを4段にしたら、

H=105.2cm


L/H≒0.22 になります。



つまり、これだけ背の高いスピーカーの場合、差がなくなります。




簡単にまとめますと、縦より横が短いと倒れることになります、残念ながら。



機器が倒れないのは、縦より横が長いからですね。



トールスピーカーを倒れなくするには、アンカーボルトやネジで床に打ちつけるしかありません。



スパイクで床刺ししてもムダです。



スパイクが刺さっているときの摩擦係数は1ですが、横揺れで抜けてしまいますと倒れます。



私は世界に1つしかないKaNaDeスピーカーは、聴くときだけ出してきて、スタンドに置いてます。



まとめ)

スピーカーを倒れにくくするには、

1、滑りやすくする

2、アンカーボルトで固定する

の相反する2とおりです。










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