昨日の続きにもなりますが、整理をしておきたいと思います。
表題の①電場、②静電気、③比誘電率、には密接な関係があります。
電場は、電気が流れるケーブル類に取り巻くもの、ケーブル類に被覆しているプラスチック類の比誘電率が高いと、静電気が起きるという仕組み。
大学に行くと物理化学でガウスの定理ってのがあります。
電場(電界)=静電気(表面電荷密度)/比誘電率/真空の誘電率(8.85×10-12F/m)
電場が高いと、静電気が高くなる。
比誘電率が高いと、静電気が高くなる。
ということ。
前述のように、静電気は擦るものによって+に帯電するか-に帯電するか変わってしまう、まだ十分解明されていない学問です。
ただ、プラスチック類は表面にOH基が出ているために、-に帯電しやすいのです。
ケーブルに被覆されている市販のものでは、シリコン、テフロンといった構造が安定化し耐熱性が高いものは比誘電率が高くなり、静電気が起きやすくなります。
なので、静電気が起きにくい(溜めにくい)性質のものとして、平衡水分率10%を保つ、気孔構造を持つ、綿がおすすめなのです。
もちろん、木も同じです。
それから、金属は、一瞬静電気は起きても放電が早いため、静電気を溜めにくいのです。
それから、ついでに、ケーブルの被覆材の厚みと静電気量の関係は?といいますと、
これもガウスの定理の範囲ですが、厚みは静電気量が掛け算になります。
つまり、1mmの厚みの被覆材で1kVの静電気が起きたとすると、計算上だと2mmの厚みの被覆材だと2kVの静電気が起きてしまいます。
なので、静電気量を抑えるためには被覆材は薄い方が良いといえます。