今日は、車の大きさの違いと、ブレーキの鳴きの音の違いについて、ご教示したいと思います。
説明を簡単化するため、大中型で説明したいと思います。
大中型車はドラムブレーキ式で、重心より後ろに車重と同じ重さの荷物を乗せるため、ブレーキ力配分をフロント4、リヤ6にしています。
(タイヤの数の違いは、考察が複雑化するので、割愛します。)
配分が高いと摩擦材(ライニング)が摩耗しやすいので、リヤの幅が広いものを使います。
もちろんドラムも広いです。
だいたい小型から中型まで、つまり4t車までは直径32インチのドラムブレーキが使われます。
これはタイヤの直径が決まると自動的に決まるからです。
インシュレーターの縦横とは逆向きの変形ですので、直径に応じて鳴きの周波数が決まります。
つまり、小型から中型までは、1.100〜1,600Hzのブレーキ鳴きが出ます。
一方で、4t車以上の車は大きなタイヤを使います。
普通型から大型までは、41インチ直径のブレーキです。
なので、3,000〜4,000Hzで鳴きます。
そして、幅が広いリヤの方が鳴きの音が大きくなります。
大中型車の鳴きの周波数は、この2とおりしか出ません。
つまり、タイヤ直径サイズが2通りしかないからです。
(何故か? 大量生産し、安くするためです。)
で、ついでに乗用車の鳴きですが、ワンボックス以外はだいたいディスクブレーキが使われています。
(理由は、いつか説明します。)
ディスクブレーキの場合は、ローターを挟む構造なのでインシュレーターと同じ関係になります。
だいたい、新品時は7,000〜9,000Hzで鳴きますが、摩耗してくると、厚みが薄くなるために9,000〜13,000Hzに高くなります。
結構周波数が高いので、聴こえにくいのですが、厚みが変わると周波数が変わるのが、開発泣かせではあります。
摩擦材の設計.実験を経験すると、いかにインシュレーターの設計が簡単か、社内ではそう思われていたことでしょう。
(前にも同じようなことは書いたかも? 年寄りなのでご容赦ください。)