1年ほど前に、弓の張り替え期間に使用するための予備として、amazonから購入したフェルナンブコ製とうたった1万円の弓があります。
「アルティジャーノ&バイオリン」という東京のメーカーの品物ですが、中国品ではないかと思います。
(日本製で1万円では利益が出ないでしょうから。)
現在使っている弓が、7万5千円のブラジルウッド製の弓で、初心者中級者用でまずまずのもの。
(ブラジルが原産で、弓の材質として特性が最高なフェルナンブコ材は、輸出入禁止木材に指定されていて、許可のあるところでも中々入手出来ない。)
ただ、今回1万円で購入した弓が1年使ってみて中々良い感じなので、弓の買付け人から教えて頂いた鑑定方法を真似て、素人ながら検査してみました。
以下の点です。
①棒の材質.....本当にフェルナンブコなのか?
②重心位置....毛を張った元から26cmの位置にあるか?
③振動減衰時間....1秒続けば100-200万円レベル。
(以前、ヴィオリストの泉さんの200万円のフェルナンブコ弓を調べさせてもらいましたら、ちゃんと1秒揺れました。)
④重さ....新作は60.0-61.5gの範囲が理想。
では、擬似鑑定結果です。
①デジタル顕微鏡で観察してみました。
塗装でわかりづらいですが、茶の線の他に黒い斑点線が入っています。
これは所有しているフェルナンブコの板と同じようですので、フェルナンブコのように思います。
②重心の位置は棒が指で支えて釣り合う位置です。
まず、毛を張ります。
③振動減衰時間です。
棒を縦にして左手の人差し指と親指で押さえます。
④重さは、軽量計量器で測ります。
重心の位置を真ん中に置きます。
64.14gで、2.64g重いです。
ついでに作り。
このあたりが雑です。
塗装もスプレー塗装だと思います。
結論)
材質が貴重なフェルナンブコ製で、重心の位置がピタリ、振動減衰時間がまずまず。
重い点と作りがやや雑な点を勘案しても、1万円で買える品物ではなく、もっと質の良い弓だと判断します。
なお、毛の張り替えの値段は、だいたい6,000円から1,5000円です。
毛の元値を勘案しても、かなり掘り出しものの良い弓だと思います。
元々メインで使っていたブラジルウッドの弓より良いと判断出来ます。
奏KaNaDe/複合材料ノートのmy Pick
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