く交流電流のお話です。

一応、物理化学の専門でして。

大学の物理で習った内容を紐解きます。

オーディオを繋ぐコンセントの電流は、50Hzまたは60Hzの振動周波数でコンセントからオーディオ機器までを行ったり来たりする交流電流ですね。

交流電流は、表皮効果と言って、円柱状の導線の中央付近で電流が流れにくくなり、導線の表皮近くに集まって流れる特性があります。

ただし、高周波に限ってではありますが。


難しい話で、マクスウェルの方程式から算出するものです。

長い式を書いても仕方ないので、省略しますが。

通常、線材は金属の中でも電気電導度が高い銅を使っているので、変位電流を無視して準定常電流とみなすことが出来ます。

交流電流(行ったり来たりする電流)が流れますと、交流磁場が導線の円周方向に発生します。

(以前から、電場磁場テスターで測定していますね。)

すると、誘導電場が出て、導線中に流れる電流を打ち消すんですね。

それで、電流が表皮に集まって流れ出すのです。

行ったり来たりですけど。

ただ、交流電流の周波数が50,60Hzと低い周波数なので、銅線が導線となって電気を運び、変位電流を無視出来ます。

ですので、この表皮効果が発生するのは交流の高周波電流の場合です。

家庭の交流電流の周波数は50,60Hzと低いわけですから、実際には表皮効果は無視できます。

(断面積が大きいほど外部ノイズの影響を受けますが、抵抗値が下がるので機器の入力アンペアに適度な直径に束ね設計されているはずです。

経時劣化による腐食を減らすためには銅の単線が良いわけですが、タップで引き抜けやすいなどで販売許可が降りないわけで、自作するかタダで知り合いに作ってもらうしかありません。)


電磁気学の物性の話でした。


「物質中の電場と磁場」共立出版 村上修一著より


表皮効果は、マクスウェル方程式に基づく解で"交流電流"と他には"導体に入射する電磁波"に対して起きる現象です。

一方で直流(一方通行の電流)は断面を導体を均一に通ります。

接続ケーブルの音楽信号で表皮効果をうたう論文まがいのものを見受けますが、繰り返しになりますが、表皮効果は高周波の交流電流における現象ですのでオーディオケーブルには無関係ですので、騙さないように。

反論があればマックスウェルの方程式を書かせてみたら良いでしょう。

異論がありましても、以上が私の辞書です。