もう一昔前かもしれない。

一人では無理なので人員を追加してもらい、5人に。

ようやく形が見えて来たのが2014年。

KaNaDe01の前身である。

新型インシュレーターとだけ印した。

羊毛フェルトを付けて意匠登録申請もした。

上司に報告した建前の開発費は、確か2,250万円だったか、忘れたが。

ごり押しして展示会にも出さてもらい。

ヘッドホンで聴けるようにセットし、プラスチックの元足と交換して試聴出来るようにした。

カメラマンが取材に来たので説明しようとしたら流石、まず音を聴いてくれた。




流石に驚いたらしい。

「これ、今インシュレーターを替えただけなんですか?」

これが雑誌最初の掲載となった。

取材費は取られていません。

ただ、時代が早すぎたのか?

後からオーディオメーカーの人たちが入れ替わり来ては、物を触ってコンコン叩いてみたりも、けげんそうな顔をして試聴しようともしない。

なんでこんなわけのわからないものを作って来た?と言わんばかりの顔をして。

せっかく、高いゼンハイザーのバランス型ヘッドホンを持参したのに。

電気屋さんだからな。

わかっていたら、こんな80円の足などで満足するかな?

(何でも以前から、熱可塑性樹脂にリサイクル物と炭カルを混ぜたBMCという複合材をPioneerなどが採用していたが、あまり良くなかったらしく、複合材の印象を悪くしてしまったとか。

狼少年です。)


最後から2番目に来た若い女性が、試聴後に目を丸くして、言った。

「これ、現物で良いので私に売ってもらえませんか? 財布に今24万円ならあります。」

もちろんお断りしました。

「ありがたいですが、市場調査の一貫でして。」と、「声がたくさんあればいずれ出ますから」と。


音楽は、感性のある人が聴くのが一番の測定機。