今日は、製造バラツキをどのように管理しているのか、紐解きます。

通常、多人数で生産する場合には、各工程ごとにチェックして問題ないものを次の工程へ引き渡ししますため、QC工程表を作成し管理します。

私のように一人でやる場合には、引き渡しがありませんので、標準動作管理シートで十分です。

例えば熱プレスですと、気孔率や気孔径、樹脂の分子量を決定する重要な工程です。

成形後の厚みや比重を測るのは中間検査であって、まずどの程度温度や圧力がずれたらダメになるのか見極めておく必要があります。

それが上下限評価です。

温度と圧力を1目盛ずつ、実験計画法に基づいて条件振り表を作って、実際に試作をし、気孔率や気孔径、振動減衰率、構造解析、粘弾性分析、周波数特性、他の計測を行ったのち、実際に最終製品まで加工して機器類に敷いて音質の傾向をチェックシートに採点します。

その結果から、温度と圧力がずれても大丈夫な範囲を求めます。

5年間の製造時の個々の圧力変化の数値は、全てノートに記録してあります。

製品の寸法や面粗さなどの物理特性も同様にして求めます。

その範囲内に出来上がったものを製品とし、範囲から外れたものはB級品としてstbになります。

作品4番などは特に歩留まりが悪いので、利益があるのかないのかなんです。


一般の製品との違いは、工程能力σで管理していない点です。

大量生産の場合は、加工機械の精度でバラツキが決まるという考え方ですので、出来ないものは管理出来ない、となります。

これでは、耳の良い人間は誤魔化せませんで、クレームになるでしょう。

ですので、工程能力という管理方法を捨て、私の精神力による完全管理になります。

合格判定印などのつまらない証明書も入れておりません。

そんなものがあるというのは、作った人と検査した人が違うからであって、印鑑を押す担当者がただハンコを押しているだけにすぎません。

私の場合は、配合から化粧箱に入れてお客様へ贈るまで一人なので。


今までに、足を変えたら音がキンキンしたのでどうしたら良いのかと相談が2-3件ありましたが、RCAケーブル、スピーカーケーブルの別メーカー品への交換、フィルター系のアクセサリーを外し、をお願いしまして解決しました。