意外と知らないインシュレーターの正しい敷き方です。

何だか怪しげな題名ですみません。

インシュレーターの正しい敷き方を説明します。

お客様から質問されることがありますので、以前の説明から重複する部分もございますが、インシュレーター屋を代表し、整理して説明させて頂きます。(すみません、まだ5年目の分際で。)

以下が迷う点ですね。

①重ね置き
②ガタ避け
③接着
④位置

正しい敷き方は以下になります。
KaNaDe03を使って説明致します。


ガタがある場合には、スペーサーとして紙をインシュレーターの下に入れます。

ゴムや金属やガラス製などのスペーサーは、薄くても可聴域に共振点がありますので、使うのは紙にします。

紙は1mm程度以下なら可聴域に共振点がありませんので、余計な音は入って来ません。

なお、薄いほど共振周波数が高くなり、可聴域を超えてくれますので、薄い紙を重ねるのが正解です。

私はコピー用紙を丸く切って重ねたりしてます。
(四角いと横方向の共振点が出来てしまいますので、丸にします)

何枚重ねても周波数は変わりません。
(KaNaDe03とunderを同じ厚みにしている理由です)


なお、可聴域に共振周波数がない物質は世の中にありません。

叩いて音がすれば共振周波数が可聴域にあると言う証明ですので、無知な商品に騙されないようにしましょう。(同じインシュレーターを2つ叩いたときに鳴る音のことを共振周波数と言います。また、無知とあえて書きましたのは、嘘と知っていながら販売していたなら詐欺です。)

以前も触れましたが、物質だけで決まるのではなく、厚みで決まるので、可聴域から共振周波数を出なくするには、丸くして且つおよそ1mm以下に薄くして20kHz以上の高周波にするか、または1m以上に長くして20Hz以下の低周波にするしかありません。

(共振周波数と厚みは反比例の関係にあります。)
( 共振周波数a = 密度ρ÷厚みb )

あと、インシュレーターにはエージングはありません、何故ならコンデンサやトランジスタなどの回路ではない、構造が安定した物質の塊だからです。

では、インシュレーターの間違った敷き方を紹介していきます。


一部のお店や記事でも間違ってやられていますのは悲しい現実です。

元々のインシュレーターの下に、別のインシュレーターを敷くのは×です。

どちらか1種にしましょう。

何故なら、2つのインシュレーターの周波数(音)が混ざり、周波数の移調が起こり、楽器の音が変な音になります。

料理で味付けがイマイチだと、砂糖を足し、今度は甘すぎたと塩を足して、また砂糖を足してと泥沼化するのを想像すると良いでしょう。

次はどうでしょう。

良くやるのはトランスの下に敷こうとずらす。


これもイマイチです。

ネジなどの出っ張りがある場合は仕方ありませんが、なるべく4つ端に入れましょう。

トランスが何処にあろうとも、振動の振幅が大きくなるのは4つ端です。

次はどうでしょう。


ガタ避けを機器とインシュレーターの間に入れてします。

ダメですね。

インシュレーターは直接機器に接して作用しますので、スペーサーは間に入れてはいけません。

勿論、接着剤で付けるのもいけません。

接着剤は有機物ですので、薄くても可聴域に共振点がありますので、音が変になります。

最後のこれもいけません。


インシュレーターがはみ出しています。

インシュレーターは全面で振動を受けて仕事をします。

そういう前提で寸法を決めています。
(直径は増音倍率になります)

一部しか接触しなければ、その面積分しか作用しません。

応用問題で機器の下にオーディオボードを敷いてその下にインシュレーターを敷くのは×です。

あと余談になりますが、機器でねじ止めしたアルミの箱よりも、くり抜いたアルミの箱の方が共振点が減ります。

何故ならネジくらいでは箱は一体化しないからです。

FFT加振し減衰波形を測定してみればすぐわかります。

ネジ止めの方は、幾つも波形が出てしまいますので、ビビりやすいということです。

接着剤で止めれば一体化しますが、先程説明したように、接着剤の音が加算されてしまいます。

なので、くり抜いた箱がいい理由ですが、高いです。

弊社で作っても。

原材料が寸法で値段が跳ね上がりますため。


概ね以上になります。

中々、物理的に説明した事例がありませんでしたので、参考になりましたら幸いです。

インシュレーターは正しく使って、良い音楽ライフを楽しみましょう。

補足)
音の好みが違うと言われないよう、日頃から生演奏を聴きに行き、自分の耳を鍛えることで、良い音を理解し、正しくチューニングしていくことが出来ます。

ピアノの音が綺麗、ヴァイオリンの音が綺麗と言っても、弾き手だけではなく、どこの楽器で、どこのホールかなどによって音は皆違います。

聴いている音は、本当にその音に近いのでしょうか?

必ずしもご自分で楽器を演奏されなくも、感性は十分鍛えられると考えております。

良い音は一つしかないと考えております。