オーディオケーブルに生じる静電気が音質に与える影響です。

ホームページに記載していますが、改めて実験してみます。

今だいたい、部屋を暖房して、室温20℃、相対湿度30%程度で割と乾燥してます。

程度というのは、いいかげんな湿度計の表示値です。

正確に測るなら、今簡単に手に入るのは、管吸湿吸式の音湿度計ですが。

プリメインアンプのスピーカージャックAに、φ2mmの無酸素銅単線で約1.5m、左右長さを同じにします、ポリエチレン被覆です。(接触断線を避けるために被覆されていますが、表面の錆対策としては不十分だと思います。)

一方、スピーカージャックBに同じくφ2mmの無酸素銅単線で約1.5m、左右長さを同じにし、ポリエチレン被覆を剥がして純綿の包帯を巻きます。

キースジャレット2016ミュンヘンライブを買ったので、1分聴いた後にそれぞれのスピーカーケーブルの帯電率を静電気テスターで測ります。

まず、オリジナルのポリエチレン被覆の方です。


ケーブルの静電気を測ります。
-0.47kVですね。

では次に、スピーカーをBに切り替えて、スピーカーの後ろを綿被覆ケーブルに刺し変えて。


左手の弱い弾き音のモコモコ感がなくなり、余韻も良く聴こえてきました。

簡易録音でわかるでしょうか?

静電気を測ります。

殆どゼロです。

因みに、綿はフワフワに緩めに巻くのがコツです。

解説です。


まず、静電気の起きやすさです。

図の右端の方にあるように、ポリエチレンは-に電荷が強く帯電しやすいです。

金属の様な共有結合物質は帯電しても角からコロナ放電し、電荷が下がります。(C MatriXの原理です。)

一方、綿は真ん中にあるように殆ど帯電しません。

あっ、何で帯電するのかですね。

失礼しました。

交流電流や音の電気信号は縦波と横波のsin波で導体内を移動します。

その波による導体の振動により、被覆材のマイナス電子が動いて静電気が発生して溜まります。


一般に、炭素からなる有機物が静電気を帯び、ためやすいです。

では、綿も有機物ですが、何故静電気がなくなっていたのか?

綿は植物です、木もですが、水を吸う水管またはルーメンという穴が空いています。

その穴に水分が吸着していて静電気を吸い取るのです。(わかりやすい日本語にしました。)


(綿花から織物まで、という日本紡績協会の専門書です。私のバイブルですね。)

綿や木は静電気が起きにくいのは、空隙構造による利点だと、大学の授業で習いました。

勿論、奏も空隙構造なので、静電気が起きている物質に触れると静電気を減らしてくれる効果があり、ケーブルインシュレーターciは2度楽しいわけです。

摩擦帯電系列表ですが、実はエボナイトと擦ったときの表らしいですが、違う物質で摩擦振動させると電荷が逆に帯電しますので、この表の±はあくまでも一例です。

それからもう1つ、音質が良くなった原因は綿を緩く巻いたことです。

実は綿もキツく巻くより緩く巻いた方が、音のモヤモヤ感が減り、レンジが広く聴こえます。

電流や電気信号は金属線の中を通りますが、磁界のエネルギーは表面層を取り巻いて、電磁界を作ると解明されています。

ここからは想像ですが、キツく巻くと表面の磁界の流れに影響を及ぼすのかもしれません。

高価な電源ケーブルやRCAケーブルには中に銅管が入っていますのは電磁界をうまく遮断し、通りを良くするような意味があるようです。


今日はここまでです。

一応、大学は繊維と物理化学が専攻でして。

次回、錆についてもまとめてみます。