今日の1冊 Norwegian Black Metal Peter Beste (著) | おにぎりくんの感想部屋

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最近サブカルもオタクもつまんなくなりましたね。

自称する連中ばかりが多くてゲンナリしてます。
面白い文化って自分で見つけないといけないね。
メジャーもマイナーも関係ないっす。

読んだ本の感想です。(批評ではなくただの感想)
読んだ事がない人向けに書いてるつもり。

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Norwegian Black Metal 感想

Norwegian Black Metal Peter Beste (著)

写真集。

ノルウェーと言えば広大な自然、鮭、そしてブラックメタル。
スキャンダラスな話題を好む人が多いが、実は一部マニアや学者はブラックメタルの思想に共鳴を感じたりしている。
ブラックメタルはアンチキリスト、自殺、放火、殺人などの一部だけが切り取られているが、実は民族問題や政治問題を内包しつつ、しかも音楽も「メタル」と言っておきながらメタルの音を出しているバンドのほうが今は少なくなってきている。

そう、ブラックメタルは音楽のジャンルではない。思想でしかない。
土着信仰、シャーマニズム、そして政治と宗教と絡みあっている。
その歴史は「ただの悪がきの悪さ比べ」にすぎなかったが、「タテマエ」が本当の思想になっていった。

今では哲学、宗教の領域になっていてメタラーはそういうのをほとんど知らない。
そりゃそうだ。CDの帯にブラックメタルと書かれてて買ったら、ケルトフォーク、ノイズ、アンビエントが流れる可能性が今では大だからだ。
メタラーは哲学や宗教に全く興味がないわけだから、そんな音楽は聴くわけがない。

ようは「音楽で表現している」だけで、自分でブラックメタルと主張すれば全部ブラックメタルになる。
ただの音楽として聴いていたら「中2病的な話題」しか興味がないだろう。

スキャンダラスな話題が世界中に発信されたが今現在はすでに宗教音楽、哲学、ノイズなどの領域に。

この写真集は今が後期ブラックメタルだと考えた場合初期から中期に変る頃に出たものだ。

この写真集が日本で出る前、銀座でこの人の写真展まで行われた。
私も足を運んだ記憶があるが、本に載ってる写真よりもちろん大きく、数も多く壁一面が日本ではない感覚になったのであります。


この本は4800円という値段で買える。

この写真集に載ってる写真をネットで拾ったので少しだけ貼っておきます。
ふざけててこの「空気」は出せないと思います。
こっけいを通り越した世界観が楽しめる良い写真集ですね。










お勧めです。

しかし「写真集」てアイドルじゃないのによく出せたなあ。
美術関係でも芸術作品として出したわけではないだろうに。
そう、写真集を買った気分ではないんだよね。
思想を覗く本であるのです。