今日の1冊 サブカルで食う 就職せず好きなことだけやって生きていく方法 大槻 ケンヂ (著) | おにぎりくんの感想部屋

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最近サブカルもオタクもつまんなくなりましたね。

自称する連中ばかりが多くてゲンナリしてます。
面白い文化って自分で見つけないといけないね。


読んだ本の感想です。(批評ではなくただの感想)
読んだ事がない人向けに書いてるつもり。

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サブカルで食う 就職せず好きなことだけやって生きていく方法 感想。

サブカルで食う 就職せず好きなことだけやって生きていく方法 大槻 ケンヂ (著)

一昔前ならともかく、例えば30歳からサブカルに目覚めるとか、今の時代の10代~20代前半のヤツが自分でサブカルと言うとか、みっともない事この上ない。
もうサブカルの意味や定義が全く変わってしまっている。
ネットの存在がでかい今、若いやつがサブカルにあこがれてももう意味が違っている。
オタクもまあ似たようなもんだけど。

で大槻はうまい具合に世渡りをしてきた。
本に書いてある内容、大槻の個人史を考えると面白い内容になっている。

だが、サブカルを自認する若いやつ(今の世の中、もうサブカルは死んでる)が読んだとしたら「まあ、かといって食べれるわけないよな」とうそぶくのが目に見えている。
そして「自分だけは大槻とにたように食えるはず」と思い込むも目にみえている。

本の内容としては面白いが肝心な事が全く書いていない。

今のサブカルを自称する人の大半はムーブメントという事を知らない。
というのも例えば最近アイドルが流行ってるわけですが、それは「流行」であり「ムーブメント」ではない。

大槻の時代は「ムーブメント」が色々なとこで転がっていた。
ミュージシャンが文章を書くとか、ハードコアのムーブメントがあり、その後大きなバンドブームに乗り一バンド一バンドが大人に騙されながらムーブメントを作っていたし。

他にも騙されても継続してきた力があるとか、先輩が築いてきたものを冷静に判断するとか、この本には全く描かれていません。

今は詩を書こうがバンドやろうが芸術やろうが、全てネットで宣伝して終わり。
そしてネットで発表したら発表した気になっている。
ネットのムーブメントは確かにあるが「お前のやってる事はムーブメントにはなってない」ということ。

いわゆる「大きなうねり」がないと本当にサブカルで食えない。
そのうねりがもう今はない。
大槻の場合、その大きなうねりの中にいたんだから。
しかも、「自分達でなんとかする」というのが本当に大事なんだが、今はそれがない。
ある意味かわいそうな人達が本気になってこの本を読むだろう。実際売れてるんだよね、この本。


まあ「本気で読んでないよ」という人ほどこの本に翻弄されているのも目にみえている

勘違いする若者のなれのはては「サブカルでもオタクでも体育会系でもリーマンでもolでもなくただのダメな人」だ。

この本は面白いがそんな大人を生み出す事になるでしょう。

良い大人が読むぶんにはいいかもです。お勧め。

吉田豪に翻弄されてるだけの人にこの本の本質を理解するのは200%無理です。

吉田豪さんは見事だと言えますが。