上空から見下ろすと、
雲の隙間からあの島が見えた。
雲はあの島を隠したがっている。
逃すものか。
私は高度を上げてわずかに見える中心へ直滑降した。
やっと島の全容が見える…
と思ったところで、いつもの門番が現れた。
白い神官の衣装をまとった門番は、子供の姿に見える。
美しい大きな目でキッと私に視線の矢を放つ。
私はその視線に射抜かれ、意識を飛ばされた。
歩く誰かの背中、雑踏、駅のホーム?
くそっまただ。
あの島に行こうとすると、いつもあの門番が現れる。
睨む、ではなく目線に力を込めはじかれる感じ。
そうすると、まったく別の場所、まったく関係のないビジョンへと飛ばされるのだ。
まるで拒絶されているかのように。
私はあの島がレムリアだと知っている。
あの島をまた見たい。
抑えきれない好奇心と、毎回拒絶される諦観がないまぜになる。
…
そのライブへはキツネにつままれるような思いでむかった。
連鎖が連鎖を呼び、あれよあれよという間に私はここにいるが
ふと我に返ると、自分がひどく場違いな気がした。
3月の満月にたくさんの情報が降ろされることは分かっていた。
それまでに自分を整えておくように、とのメッセージにも従った。
星の名前がついた曲は、私を変性意識の世界へ放り込んだ。
…
ああ、まただ。
上空から雲の切れ目に見える島。
拒絶されると分かっていても、向かわずにはいられない憧憬の地。
あの門番が現れる。
きっとまたあの目に射抜かれる…
中編へつづく
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私は昔から鮮明で長編大作な夢を見るので、
中学生のときに夢日記をつけていましたが、
毎回A4ノートびっしり3~4ページになって手が疲れるし小指まっくろになるし朝は時間ないし止めました。
ビジョンも同じように鮮明な長編大作です。
自分以外の方の過去世のビジョンが見えたとき、本人にお伝えするかどうか超悩みます。
まるで、長ーいおとぎ話ですもん。
じゃ、おとぎ話にしちゃえばよくない?
小説か何かとして読めばそこそこぶっ飛んだSFファンタジーとして楽しめるんじゃない?
と思って試しに書いてみることにしました。
過去世は、
今、必要な情報だから思い出すのだ
と分かっています。
過去に得た知識・能力・経験の集大成として今の人生を歩んでいるのだ
と「記憶時計」のビジョンが教えてくれたこともあります。
だから、この物語から得るものがこれを読んだ方にはあるのだと信じて…