考察:今は浮いていたいんだ。 | ◎時空の螺旋◎ spatio-temporal-*HELIX*

◎時空の螺旋◎ spatio-temporal-*HELIX*

この世界の美しさ
自然の摂理の巧妙さ
命の営みの不思議さ

センス・オブ・ワンダーをアートで表現します。

飛び出すように1人家を出て海へ向かった。
自分の燃えるようなエネルギーで闇夜に恐怖は感じなかった。
人目などどうでもよかった。
堤防の岩の上に寝転がって夜空を見上げた。
都会の星は薄い。
それでも見えている星たちはきっと強い光なんだろう。
知りたい、と思った。

シリウス?北極星?

まばらな光では星座が分からない。
繋がりが見えない。
星は人間の精神の現れというならば、私はあの星と今繋がっているのだろうか、などと考える。

釣り人を驚かせては気の毒なので
起き上がって堤防沿いを歩いた。
風が強い。
気持ちいい。

風と踊る。風と遊ぶ。

そんな表現をしていた人がいたな、と思い出す。

波が高かった。
しぶきをあげて堤防にぶつかる波に呼ばれた気がして柵から身を乗り出した。
夜中に、手ぶらで、1人荒れた海を覗き込む。
自殺と間違えられるかもな、と思ったけれど声をかけてくる人などいない。

目に飛び込んできた違和感。

夜の海に、鴨がいた。

…海に、カモ?

…しょっぱくないかい?

激しい波に煽られる鴨を眺めながら、少しずつ不安が募る。
何をしている?何もしていない。
ときどき海水をすくうが、エサを求めているようでもない。

…翼が濡れて飛べないの?
…夜の闇に目が見えないの?

高い波に覆われて鴨の姿が見えなくなるたび、私は心配でさらに身を乗り出し目で追った。

黒い波に白い光がきらめくのはまるで、黒龍のウロコみたいだ。
海は一匹の生き物みたいだ。



潮はどんどん引いて堤防との段差が広がる。
鴨は上がれないでいるのだろうか。
釣り人に網を借りてすくおうか。
いや、警戒して逃げるだろう。
すくえない。
救えない。

…こんなところで何をしているんだい?
…ひとりぼっちで、闇の中で…

ハッとする。

鴨に言ったのか?
自分に言ったのか?

私の心配をよそに平然と飛び立ってくれ、
と鴨に願う。
ずいぶん長い間眺めたけれど
鴨が飛び立つ気配はなかった。

夜が明けるまでこのままなら、あの子は体力が尽き死を迎えるかもしれない。
胸がチクッと痛んだ瞬間、今朝の自分のメモが蘇った。

死がキライ?

死を追い払おうとしている?

どうして?

形が変わるだけなのに。

生まれる 食べる 食べられる。

身体の一部になる。

土になったり

森になったり。

変わりながらぐるぐるまわる

流れの中の一瞬にすぎないのに。

「死」なんてなかった。

人間だけが「死」までの区切られた時空に閉じ込められている。

古くは違ったのに。

「海獣の子供」より

ああ、そうか。
そういうことか。

ここにいたいからいるんだ。

私もそうだ。
ひとりで、夜の海を眺めたいからここにいる。
私という肉体で、ここ(地球)にいたいからいるんだ。

海の生き物にとって陸は生きてゆけない異世界だ。
羊水の中の赤ちゃんは海から陸へやってくるようなもの。
羊水で満たされていた肺は、オギャーと泣いた瞬間に空気に満たされ肺呼吸が始まる。
心臓の左右を繋げていた穴はその瞬間閉じて肺循環が機能する。

異世界への順応。
こちらの世界で生きる覚悟。

私はその穴が閉じなかった。
産道で消されるはずの記憶もかすかに残った。
中途半端にあちらの世界を垣間見る。

こちらの世界の住人でありながらあちらの世界の海に浮かぶ鴨。

あれは鏡に映した私か?

今は闇の海に浮いていたいんだろう。

陸へ戻ることも
海に潜ることも
空にはばたくことも、

できるはず。



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長かったですね~
小説風に書きましたが実話(数時間前)です。

目に映るすべてのものはメッセージ。

心に引っかかる出来事が自分に何を伝えようとしているか

って前回にも同じことを書いたけど
今、そういう出来事を通したメッセージがどんどん降りてきてます。

あなたを導きたがっている存在からの合図です。

意識を集中させ、自分なりの違和感や感情の動きに気付いてくださいね。
そして自分に何を伝え教え導こうとしているか、じっくり向き合ってみてください。

そういう、自分と世界を調和させる作業の積み重ねで
覚醒は進むのだと思います。

今は、ここにいたいからいる。
今は、ダラダラしていたいからしてる。
今は、知らんぷりしたいからしてる。

これ、改めて認めると不思議なことに
じゃ次はどうしたいかって活力が湧くので

今のままじゃダメだ、なんて焦らなくていいですよ。
まずは認めるとこから始めてみましょうか。

今は、○○してたいからしてんねん!

今は寝たいから寝ます。笑